Project/Area Number |
22K18892
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 26:Materials engineering and related fields
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
谷口 尚 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, センター長 (80354413)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | スパークプラズマ焼結 / 超高圧焼結 / バインダーレス焼結体 / ダイヤモンド / 立方晶窒化ホウ素 / SPS焼結 / 超硬質材料 |
Outline of Research at the Start |
パルス通電による電磁エネルギー、原料粒子間に生じる放電プラズマエネルギーを焼結の駆動力として活用するSPS焼結法をベルト型高圧発生装置と組み合わせ、5~8万気圧力領域において展開する。SPS焼結では透光性焼結体を得るのに必要な焼結温度が通常のホットプレス等と比較し3~500℃程度低減する効果などが報告されており、現在の先端的なセラミックス合成技術として注目を集めている。本研究ではSPS焼結では未踏の超高圧力領域で、難焼結性材料の頂点とも言える立方晶窒化ホウ素(cBN)とダイヤモンドの高品位バインダーレス焼結体の合成に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
パルス通電による電磁エネルギー、原料粒子間に生じる放電プラズマエネルギーを焼結の駆動力として活用するスパークプラズマ(SPS)焼結法をベルト型高圧発生 装置と組み合わせ、5~8万気圧力領域において展開した。cBNの高品位バインダーレス焼結体の合成条件は、8GPa、2100℃であり、ダイヤモンドについては15GPa、2500℃以上との報告がある。cBNは6GPaで1600℃、ダイヤモンドは8GPaで2200℃迄安定であるから、今回、SPS焼結法により焼結温度を3~500℃程度低減することができれば、cBNとダイヤモンドの高品位焼結体をそれぞれ、6GPaと8GPaで合成することに挑んだ。ベルト型高圧装置による6万気圧領域でのSPS焼結のための安定な試料構成を設定し、実際種々の粒子径のcBNバインダーレス焼結体を合成した。SPS焼結の高圧合成条件の一応の獲得がなされたと云えるが、この際、焼結体原料粉末にどの程度の電場が印可されているかの評価が課題として抽出された。すなわち現状でのcBN粒子の高圧下SPS焼結体の硬度は理想値よりも2割程度低い。cBN原料粒子への電圧印加を目的としてBeドープによる導電性を付与した cBN粒子(p型半導体)を合成した。しかし粒子形状、粒径を整えるのが容易ではないために、電場印可と初期の粒度分布の焼結体組織に及ぼす効果の検証に難航する結果となった。 そこで、市販の粒径が揃ったホウ素ドープダイヤモンド粒子を入手して導電性ダイヤモンド粉末のSPS焼結に切り替えた。8GPa ,2100℃領域で自立型・円盤形状のダイヤモンド焼結体が得られた。硬度特性等の評価は今後の予定であるが、同様に処理した絶縁性ダイヤモンド粉末のSPS焼結時と、導電性粉末とでは電場の印可挙動に大きな差異が認められなかった。試料構成に応じた電場の印可回路の再検討の必要性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ベルト型SPS超高圧焼結では、焼結原料粉末にどれだけの電場を印可できるかが本質的な課題として再認識された。試料粉末を介する試料セルの電気抵抗に大きな差異が見られず、これは試料周囲の黒鉛発熱体による導電パスの影響が大きいことを示唆する。この試料構成は5万気圧を超える超高圧下で、試料のみにスパークプラズマを投入する際の異常発熱、変形に伴う高圧装置のブローアウトの発生を危惧した所以である。
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Strategy for Future Research Activity |
本質的なSPS焼結効果を見極める上では黒鉛発熱体によるいわば電場の補助経路を遮断した試料構成に挑む必要がある。ブローアウトは高圧容器(超硬合金製シリンダー、アンビル)の破損を伴う可能性が高く、更に危険を伴うが、本課題で挑むべき取り組みとして準備を進めたい。
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