Project/Area Number |
22K18899
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 26:Materials engineering and related fields
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田原 正樹 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (80610146)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 拡散変態 / 変位型変態 / チタン合金 / マルテンサイト変態 / 形状記憶効果 |
Outline of Research at the Start |
本研究は研究代表者がチタン合金で発見した「新たな拡散-変位型相変態」を利用した高温形状記憶効果の創出を目的としている。従来の形状記憶合金は原子無拡散のマルテンサイト変態を利用した現象であるため、原子拡散が容易に生じる高温では安定した特性の発現が難しかった。本研究で用いる相変態は原子拡散を有する変態であり、高温での機能変化は生じにくいと考えられる。本研究では、この「拡散-変位型相変態」による高温形状記憶効果の発現と関連する学術的基礎の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は研究代表者が発見した新しい拡散-変位型相変態を利用した高温形状記憶材料の創出を目的としている。この相変態はチタン合金における等温変態であり、直方晶構造を経由することが特徴である。従来のチタン合金においては直方晶構造は原子無拡散のマルテンサイト変態によって生成するものであった。研究代表者は、特殊なチタン合金において加熱または高温での保持によって原子拡散を伴いながらこの直方晶構造の相が現れることを見出した。この相変態は原子拡散を伴う拡散型変態であるが、同時に変位型変態の性質も持ち合わせていることを利用して、形状記憶効果の発現が期待される。一般に広く用いられれている形状記憶効果とは、原子無拡散のマルテンサイト変態を利用したものである。本研究では、このような従来の形状記憶合金とは全く異なるメカニズムで形状記憶効果の発現を目指す。 本年度は、これまでに確認された形状回復挙動が具体的にどのような相変態機構によるものであるかを明らかにする研究を実施した。動作温度が800℃程度と高温であるため、まずはex-situ測定を中心に行った。具体的には、Lab用X線回折装置とSEM-EBSDである。いずれの測定でも、直方晶構造の相が分解してBCCのβ相とHCPのα相になり、さらに高温ではBCCのβ相単相となった。これらの相変態のうち、α+β相からβ単相になる温度が形状回復試験の結果から得られた動作温度とよく一致することがわかった。また、SPring-8におけるin-situ測定も実施したところ、上記の結果を裏付けるデータを得ることができた。また、単結晶試料を用いた形状回復挙動の評価も予定通り実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りにex-situおよびin-situ測定を実施することができた。また、得られた結果も研究開始当初に想定していた通りであり、順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度においては、繰り返し動作時の安定性を評価するとともに、金属組織観察を通して特性変化の原因を探る。また、本現象をより多くの材料でも発現させるための条件について解析・考察を行う。
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