Project/Area Number |
22K18906
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 26:Materials engineering and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷ノ内 勇樹 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40644521)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
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Keywords | 白金族金属 / 塩化反応 / 揮発分離 / リサイクルプロセス |
Outline of Research at the Start |
白金族金属リサイクルを抜本的に高速化・低環境負荷化する新しい元素分離精製技術の創製に向けた基礎研究を行う。具体的には、気相錯体の形成による難揮発性物質の揮発促進現象に着目し、白金族金属が効率良く塩化揮発する反応条件を探索する。これにより、白金族金属系気相錯体の基礎学理を深化するとともに、革新的リサイクル技術の構築を可能とする新規反応系を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
高度資源循環型社会の実現と我が国の産業競争力の維持のために、白金族金属のリサイクル技術の高度化が求められている。本研究では、リードタイムが短くかつ有害廃液の発生が最小限な白金族金属分離精製技術の創製に向けて、白金族金属が気相錯体を形成して効率良く塩化揮発する反応条件を探索する。 本年度は研究期間の初年度にあたる。当初の計画通り、グローブボックスを新規に設置し、塩化物を不活性雰囲気下で扱える実験環境を整備した。さらに、電気炉や石英ガラス製反応管で構成される塩化処理装置を立ち上げた。 白金族金属の中からロジウムを取り上げて、金属から塩化物への変換が可能なプロセス条件、特に高温の塩素ガスを用いない簡便な手法を探索した。熱力学的解析と塩化処理装置での実証検証の結果、大気中で加熱処理(酸化)した後に、塩化マグネシウムと反応させることによってロジウムを効率良く塩化できることが示された。本手法で得られたロジウム塩化物は非揮発性である。次年度には、このようにして得られたロジウム塩化物を、高揮発性の複合塩化物へと変換しうるプロセス条件を探索する。また、白金などの他の白金族金属についても同様の調査を行う予定である。 なお、本年度に考案・検証した塩化手法は、スクラップ中に微量に含まれているロジウムを酸浸出が容易な状態へと変換する処理としても利用できる可能性がある。次年度には、得られた塩化物の酸溶解性を調査し、この展開利用の可能性についても明確化する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画通り、本研究の遂行に必要不可欠な実験環境を整えることができた。さらに、金属ロジウムについて、高温の塩素ガスを用いない新たな塩化手順を考案・実証し、気相錯体の生成条件調査のための基礎を築くことができた。また、考案した塩化手法について、ロジウムの易溶化処理としての展開利用の可能性も考えられた。以上のように、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に開発した手法で得られるロジウム塩化物を出発原料として、錯形成剤(活性金属塩化物)/塩素ガスとの反応挙動を調査する。錯形成剤については、塩化鉄(III)と塩化アルミニウムを主な候補とする。反応容器内の観察、試料の重量変化と供給するガス組成、反応温度・時間の関係より、塩化揮発に適した反応条件を明らかとする。 また、白金とパラジウムについても調査を展開し、白金族金属間で塩化挙動や気相錯体の安定性にどのような差異があるか明確化することを目指す。個々の白金族金属についての調査結果を比較し、さらにプロセス条件の最適化を図ることによって、白金族金属間の乾式相互分離法としての利用可能性が明らかとなると考えられる。 展開研究として、初年度に開発した塩化手法によって廃触媒中のロジウムの酸浸出性を向上できるか検証を行う。具体的には、得られるロジウム塩化物について、化学構造解析と塩酸溶解性を調査する。
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