Project/Area Number |
22K18911
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 27:Chemical engineering and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中澤 光 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40584991)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | ペプチド / キネシン / モータータンパク質 / ファージディスプレイ / ペプチド移植 / 進化分子工学 |
Outline of Research at the Start |
動的性質からナノスケールのアクチュエーター(駆動装置)としてアメーバ状ナノロボットや繊維状ナノロボットの駆動力として期待されているキネシンはマイクロチューブリン上しか移動できないため使用の制限が大きい。この問題を解決することができれば、ナノスケールサイズの材料を自在に動かすことができるようになり、ナノロボットの分野のパラダイムシフトが起こると想定される。本申請は、マイクロチューブリン表面以外の無機材料表面を走るキネシンタンパク質の開発に挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
キネシンはモータータンパク質として知られており、「走る」という動的性質からナノスケールのアクチュエーターとして期待されており、最近ではアメーバ状ナノロボットや繊維状ナノロボットの駆動力として使われている。キネシンのマイクロチューブリン上しか移動できないという使用の制限を解決するために、本申請は、マイクロチューブリン表面以外の無機材料表面を走るキネシンタンパク質の開発に挑戦した。キネシンは、ループL11とループL12によって微小管の表面に繰り返し存在するそれぞれの相互作用部分とATP依存で交互に結合することによって、走っていることがわかってきた。結合は物理吸着であることから、申請者は「走る」ためには、キネシンの動く相互作用部位と、結合対象の「8nm」の幅で繰り返す相互作用部位が重要と考えた。本申請では①キネシンの相互作用ループへの結合ペプチドの移植および②相互作用部位を一定の間隔で配置したナノマテリアル構造体の作製を行い、無機材料表面を走るキネシンタンパク質の開発にチャレンジする。昨年度C末端ビオチン化したキネシンの大量発現の安定発現に成功したため、当該年度は先に進み金属結合ペプチドの移植を行った。その結果、ポリペプチドとして発現には成功したものの、移植型キネシンは凝集体を形成した。そこでより変異寛容性の高い部位への変異導入を検討するために、既存のキネシン配列集団から変異寛容性がありそうな部位をバイオインフォマティクス的に絞り込み、その部分に金属結合ペプチドを移植した。当初、金属結合ペプチドはオリジナルのペプチドを想定していたが、発現しにくい性質を鑑みてループL12へのHis残基の導入に変更し実行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一年目に野生型キネシンの大腸菌発現に苦戦したことによる計画遅延が大きい。しかしながら、昨年度C末端ビオチン化したキネシンの大量発現の安定発現になんとか成功したため、当該年度は先に進み金属結合ペプチドの移植を行えた。しかしながら、ポリペプチドとして発現には成功したものの、移植型キネシンは凝集体を形成してしまった。しかしながらここでの遅延はある程度想定内であり、試行錯誤しながら着実に変異導入部位を絞り込んでいく予定である。また、足場となるナノ粒子作製はいまだ着手できていない。全体的にやや遅れてはいるが移植型キネシンが不溶性とはいえ大量発現したことから、有望であり研究加速が期待できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
金属結合ペプチドをLoop12に移植した結果、キネシンのポリペプチドを合成できたものの、活性を持たない凝集体を形成してしまった。そこでバイオインフォマティクスを用いて、Loop12における変異を導入しても構造変性しにくそうな変異耐性のある位置を選び出し、変異を導入することとした。また、Histag精製以外の方法では精製における回収率が低かったことからTEVプロテアーゼ認識サイトとHistagを付けつつ、精製を行い、精製後にTEVプロテアーゼによりタグを除去する設計に変更した。除去をする理由はHistagが金属結合能を有するため本実験の妨げになるためである。最終年度後半は金などの金属プレートへの結合親和性をQD655量子ドット修飾キネシンの蛍光を指標に観察する。最終年度のため8nmの細孔のマテリアルはキネシン調製と同時に準備する。最後に金属表面上を走ることをAFMによって観察する予定である。
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