ナノ空間を巧みに利用した革新的ナノポアケミカルセンサーの創成
Project/Area Number |
22K18939
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 28:Nano/micro science and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 康史 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90624841)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | ガラスナノピペット / pH / バイオセンサー / プローブ顕微鏡 / ナノピペット / ケミカルセンサー |
Outline of Research at the Start |
細胞内でオルガネラは相互作用しながら活動しており、その理解には、細胞内の化学動態を計測する技術がもとめられている。そこで、ガラスピペットに酵素やアプタマーを修飾し、化学物質の濃度をセンサー薄膜の電荷状態の変化としてとらえる。さらに、能動的に生体分子をナノポア内に導入する手法、導入した生体分子の増幅法を確立し、細胞の代謝物をセンシング可能な革新的なケミカルセンサーを確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞内でオルガネラは相互作用しながら活動しており、その理解には、細胞内の化学動態を計測する技術がもとめられている。その候補の一つとして、ガラスピペットを用いたナノポアセンサーが挙げられる。ガラスピペット先端の大きさを10 nm前後にすると、ガラス内壁の負電荷とイオンが相互作用することで、正の電位で電流がほとんど観察されない半導体同様の整流作用が現れる。この整流作用は、化学物質がピペット内壁に吸着した際に変化するため、化学物質の濃度を電流変化に高感度に変換可能である。今年度は、ナノポアpHセンサーの作製の再現性の向上と、ナノピペットそのものの微細化に取り組んだ。ナノポアpHセンサーの作製法では、バッチプロセスを確立することで、数十本レベルでナノポアpHセンサーを作成することが可能となり、また、pHと電流のキャリブレーションを行うソフトを開発することで、キャリブレーション時間の短縮に成功した。さらに、ナノピペットの作製では、あらかじめガラスの内外径比を調整するプロセスを導入することで、従来の1/2以下の微細なナノピペットの作製が可能となった。 ナノポアpHセンサーについては、作成の再現性も非常に高く、実用的なレベルまで作製技術を向上させることができた。また、来年以降に取り組む予定であるナノピペットの自動ナビゲーションを実現するためのプログラム開発にも着手し、オルガネラの分析に資する技術開発が着実に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノポアセンサーの大きな課題であるポアサイズの微細化・サイズ調整を、高い再現性で可能とする作製プロセスを確立した。この手法は非常にシンプルであり、まず、ガラスキャピラリーの事前に加熱しながらガラスナノピペットのガラスの厚さを調整する。このことで、ガラス部分の厚さを調整したガラスキャピラリーを容易に作製可能となった。細いナノピペットを作製する場合にはガラスが分厚いキャピラリーをもちいて、先端半径が20 nm以下のナノピペットを容易に作製可能となった。また、ナノポアpHセンサーについても、これまでpH感受性の膜の固定化を一本一本行ってきたが、一度に20本ほど作製可能な量産が可能なシステムを確立した。さらに、ナノポアpHセンサーは、個々のセンサーごとにpHに対する電流応答が異なるため、その都度評価が必要である。このpHに対する電流応答の取得を半自動化し、さらに、電流応答からpHを簡便に算出可能なソフトを自作し、ナノポアpHセンサーの評価部分のスループットを大幅に改善した。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノポアpHセンサー先端に酵素修飾を施し、ケミカルの濃度をpHの変化として読み取るケミカルナノポアセンサーの開発を行う。まず、グルコースオキシダーゼを用いて、動作を確認し、この技術をグルタミン酸や乳酸のセンシングに展開する予定である。また、ナノピペット先端部分のナノ空間を活用して遺伝子の定量が可能なシステムを確立し、ガラスナノピペットを細胞に直接挿入、細胞質を回収し、その中に存在する遺伝子を計測する技術を確立する。また、ガラスナノピペットの細胞内への自動ナビゲーションシステムに関しても開発を進める予定である。具体的には、機械学習と顕微鏡画像から細胞の位置情報を識別し、XYステージとナノピペットを取り付けたZ軸ピエゾステージを自動制御することで自動ナビゲーションを実現する。
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Report
(2 results)
Research Products
(27 results)