生体膜ナノ構造の可視化と脂質網羅分析のための統合ナノ分析システム
Project/Area Number |
22K18950
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 28:Nano/micro science and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川井 隆之 九州大学, 理学研究院, 准教授 (60738962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 康史 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90624841)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 生体膜マイクロドメイン / 走査型イオン伝導顕微鏡 / エレクトロスプレーイオン化 / 質量分析 / 固相抽出 / 生体膜ナノドメイン / 電気泳動 / 生体膜 / リピドーム分析 / ナノスケール分析 |
Outline of Research at the Start |
生体膜の局所的ナノ構造を可視化し,構成する分子組成を明らかにするための「統合ナノ分析システム」を世界で初めて実現し,生体膜ナノ構造に基づく未知の生命原理や疾患の分子機序を明らかにするための技術基盤を構築する。生細胞膜のナノ構造を可視化できる走査型イオン伝導顕微鏡でナノドメインを捕捉して採取し,ナノキャピラリー電気泳動-質量分析で解析する統合ナノ分析システムを開発する。これにより,ナノドメインの時空間情報と脂質分子組成などの化学情報の両面から生体膜の実態解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
生体膜では特定の脂質とタンパク質が自己組織化することでナノドメインが形成され,重要な生体膜機能を制御することが示唆されているが,内在性脂質を直接的に解析する分析手法が存在しなかった。そこで本研究ではナノニードルを用い,走査型イオン伝導顕微鏡 (SICM) により非標識で生体膜ナノドメインを可視化・採取し,その後ナノニードル内部でクロマトグラフィーや電気泳動によって試料の精製・分離を行い,最終的にナノエレクトロスプレーイオン化質量分析(nanoESI-MS) によって高感度・網羅的に脂質分析を行うシステムを開発する。ナノドメインの時空間情報と脂質分子組成などの化学情報の両方を取得することで,生体膜ナノドメインにおける生命現象を捉えられる統合ナノ分析システムを構築することを目標とする。 本年度は,昨年度に開発した炭素鎖修飾ニードルを用いた固相抽出-ナノエレクトロスプレーイオン化-質量分析法を用い,まず脂質標品を用いて定量再現性の評価を行った。得られたピーク面積を試料濃度に対してプロットしたところ,nMオーダーの感度と良好な線形性が得られた。続いて単一ジャイアントリポソームの解析を行ったところ,構成成分である脂質を感度よく検出することに成功した。最終的にマウス神経芽細胞腫Neuro2a細胞を用い,その神経突起部分と細胞体部分を区別して採取して解析を行ったところ,20種類以上の脂質を検出することに成功した。この中でホスファチジルコリンに注目して解析を行ったところ,神経突起部分より細胞体の方に多くの二重結合を含む脂質が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに開発した固相抽出ニードルデバイスにより定量的な微量分析系を確立し,細胞膜の局所から脂質の定量的分析を行うことに成功したことから,従来技術では解明できない分子プロファイルを得るという所定の目標を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
極めて微量な検体を分析するシステムであるため,本手法は現時点では再現性に改善の余地があり,このための最適化実験を推進する。改善された新プロトコルに沿って各種分析性能の評価,人工膜・細胞膜の解析を推進し,良好なデータが得られ次第論文投稿を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)