Project/Area Number |
22K18963
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 29:Applied condensed matter physics and related fields
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松井 淳 山形大学, 理学部, 教授 (50361184)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 修作 立教大学, 理学部, 教授 (40362264)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
|
Keywords | ラメラ構造 / ナノ相分離 / command surface / 加湿アニール / アクリルアミド高分子 / 湿度応答 |
Outline of Research at the Start |
1.ポリアルキルアクリルアミド(pAlkylAm)を湿度応答液晶配向膜とする「water command surface」の実現 加湿によりラメラ構造を形成する高分子pAlkylAmを液晶配向膜とする液晶セルを構築する。湿度によりpAlkylAmのアルキル鎖の配向が変化する現象を液晶配向へ増幅する事で湿度の可視化を行う。 2.共重合によるナノ相分離温度の低減による湿度変化のその場測定 ガラス単位温度の低いアルキルモノマーとpAlkylAmの共重合体を合成しガラス単位温度を低減させることで湿度応答温度を室温以下にする。加湿空気をフローする事で湿度のその場観察を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は湿度応答性膜の均一性向上を目指し研究を行った。具体的にはアルキルアクリルアミド高分子膜の加湿アニールによるマクロ構造変化の調査を行い、ラメラ構造化挙動について考察を行った。その後より均一かつ低欠陥の膜作製を行った。XRD測定からは80度のアニールでは30 min程度でラメラ構造が形成されることを明らかにした。さらに、フィッティング結果からアニールを長時間行うと6 hまで配向性を高めるがそれ以降の変化は起こらなかった。一方膜のマクロ構造を偏光顕微鏡観察から検討したところ、ラメラ構造が基板界面側から成長すること、またXRDから高い配向性を示した80度、6hの加湿アニールでは表面にクラックが生じる事がわかった。さらにこの欠陥はAFMによっても観察され、アニール時間が長いほどより大きな欠陥となった。つまり、ラメラ構造化過程において高い温度でのアニールはラメラ構造化を促す一方、ポリマーの凝集を引き起こし、ミクロからマクロスケールにおよぶ欠陥を形成する事がわかった。そこで温度以外の条件によってラメラ形成を促すためより、水を飽和させ他クロロホルムを溶媒としてバーコート法で薄膜を作製した。その結果、3 h程度のアニールによって3次までの回折ピークが現れ12 hから24 hでは高い配向性を維持していた。これは膜内部に水が存在していることにより、アニールを行う前から相分離が進行していた結果であると考えられる。最後にここまでの結果を元に自立膜の作製を行った。最終的に40度で12hアニールすることで無欠陥、高配向ラメラの自立膜の構築に成功した
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
water command surfaceとして働くアルキルアクリルアミド高分子の高い均一性を示す膜の作製条件を見いだした。特にラメラ構造化が空気・膜界面ではなく、膜・基板界面から進行する事を見いだした事は、water command surfaceを実現するには、より薄い膜が最適であることが明らかにできた。またこれまでのX線散乱においてのみラメラ構造化を議論していたが、偏光顕微鏡観察によって高い配向性は膜収縮を引き起こすために、膜欠陥を生じる事が明らかになった。この膜欠陥はcommand surfaceにおいて乱れとなる事が懸念される。そこで、水を飽和した疎水性有機溶媒を用いる事で溶液中においてあらかじめアミド部位に水を吸着さえることで、溶液中においてもある程度相分離を誘発する手法が開発した。これより、配向性と均一性を合わせ持つ膜を構築できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
配向性と均一性を合わせ持つ膜の形成が可能となったため、配向した膜を用いた液晶配向を実現しwater command surfaceを達成する。
|