Project/Area Number |
22K18982
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 30:Applied physics and engineering and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 顕一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70344025)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | アト秒科学 / 高強度場物理 / 第一原理計算 / レーザー加工 |
Outline of Research at the Start |
近年急速に注目されている、高強度フェムト秒レーザーパルスを照射された固体(半導体 、誘電体)中で起こる高強度場現象、すなわち、価電子帯から伝導帯への強励起(多光子励起やトンネル遷移)、バンド内での電子ダイナミクス、キャリア散乱、高次高調波発生等の過程を、電子相関を含めて正確にシミュレーションする実時間第一原理計算手法を開拓する。高強度フェムト秒レーザーと固体の相互作用を、動的電子相関を含めて正確に理解 するために必要な、第一原理計算の空白地帯ともいえる固体の波動関数理論、しかもその時間依存版を世界にさきがけて開発しようとする。
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Outline of Annual Research Achievements |
高強度フェムト秒レーザーパルスを照射された固体(半導体 、誘電体)電子系で起こる高強度場現象や超高速電子ダイナミクスは、学術的にも最先端で、また レーザー加工、ペタヘルツエレクトロニクスなどの産業応用の観点からも重要であり、近年急速に注目されている。本研究では、高強度場現象、すなわち、価電 子帯から伝導帯への強励起(多光子励起 やトンネル遷移)、バンド内での電子ダイナミクス、キャリア散乱、高次高調波発生等の過程を、電子相関を含めて正確にシミュレーションする実時間第一原理計算手法を開拓する。我々がこれまで原子・分子を対象に開発してきた独自の卓越した第一原理計算技術を、固体を取 り扱えるように拡張する。我々が気相の原子・分子で多くの成果をあげている多配置展開とクラスター展開を試し、より効率的なものを探索する。 レーザーと電子系の相互作用を電気双極子近似で取り扱う場合、その相互作用ハミルトニアンは長さゲージと速さゲージの2通りで表現できる。どちらのゲージで計算しても物理量(観測可能量)は同じ値になる。固体電子系に対して、我々はこれまで速さゲージでの計算をしてきたが、物理的な直観よりもはるかに多くのバンドを計算に取り入れる必要がある。一方、長さゲージを使う場合にはバンドの数は少なくてすむが、ブロッホ関数の位相を求める必要があり、その求め方は未解決問題である。従来の試みのような現象論的な位相の決め方ではなく、量子電磁気学的基底状態のエネルギー最小化という指導原理により変分的にブロッホ関数の位相を決定できないか、検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結合クラスター展開に基づく虚数時間発展で基底状態が得られたことに加え、重要な未解決問題であるブロッホ関数の位相問題についても、検討を進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
時間依存最適化ユニタリ結合クラスター法による実時間発展計算を試みる。また、ブロッホ関数の複素位相の問題について検討を続ける。
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