Creation and functionalization of bio-composite systems using metal-organic polyhedra and enzymes
Project/Area Number |
22K19052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 34:Inorganic/coordination chemistry, analytical chemistry, and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大場 正昭 九州大学, 理学研究院, 教授 (00284480)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 金属有機多面体 / 多孔性金属錯体 / 酵素 / 生体複合システム |
Outline of Research at the Start |
本研究では、新材料の素材として、① 活性と選択性の両面で非常に高性能な化学反応を促進し、現代の化学合成においても活用されている「酵素」、ならびに ② 内部に nm オーダーの空間を有する中空の金属錯体分子である「金属有機多面体(MOP)分子」に着目した。 本課題では、イオン性 MOP 分子を「中空スペーサー」として酵素と複合化することで、多孔性配位高分子などの多孔質固体を用いた従来の酵素複合体の抱える合成条件やサイズ制限などの問題を解決する。イオン性 MOP 分子の空間、化学的性質、イオン性相互作用を利用して酵素を安定化し、MOP-酵素複合体を基盤とする高機能な生体複合システムの創製を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、イオン性金属有機多面体 (MOP) 分子を「中空スペーサー」として酵素と複合化することで、多孔性配位高分子などの多孔質固体を用いた従来の酵素固定化法の抱える合成条件やサイズ制限などの問題を解決する。昨年度は、イオン性MOP分子の空間、化学的性質、イオン性相互作用を利用して酵素を安定化し、MOP-酵素複合体を簡便に構築する手法を開発した。本年度は、MOP-酵素複合体を基盤とする高機能な生体複合システムの創製を目指して、次の研究項目(1)-(2)を推進した。(1) MOP-酵素の複合体の機能の最適化、(2) 新規MOPの開発と複合体の機能評価。 (1) 昨年度に開発したイオン性の水溶性Rh(II)MOPを用いた酵素固定化法により、MOP-チトクロームC (CytC) 複合体において、free CytCの44倍の触媒能を示す事を見出した。本年度は、MOP-CytC複合体の組成の最適化を中心に研究を展開した。MOP-CytC複合体においては、合成段階でMOP溶液の割合を増やしていくと、一旦生じた複合体の沈殿が懸濁液に変化し、さらに加えると再度沈殿が生成した。昨年度に合成した複合体はMOP:CytC=1:4であったが、合成条件を最適化することで 1:1 および 2:1 の複合体の合成に成功した。ABTSアッセイによりこれらの複合体の活性を評価すると、反応初速度は 2:1 と 1:1 は同程度で、1:4 の約4倍に増加した。酵素活性は1:1でほぼ飽和し、free CytC の活性の118倍に達した。 (2) アニオン性Rh(II)MOPに導入したアルキルスルホン酸のアルキル鎖長を変えて、MOP-CytC複合体の活性を評価した。酵素活性はアルキル鎖が短い方が高くなる傾向が確認された。アルキル鎖が C6 の場合は、free CytC の活性の44倍であったが、C0 だと430倍にまで上昇した。酵素活性に対するMOPの構造の大きな影響を確認されたため、Rh-MOPとは異なる構造を有するZr-MOPの合成も検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新規イオン性MOPを開発することで、温和かつ簡便なMOP-酵素複合体の合成法を確立し、多様な酵素との複合化が可能になった。さらに、MOP-CytC複合体においては、組成を最適化することで酵素活性を430倍に向上させるなど、予想以上の高機能化に成功した。最適化前の組成の複合体に関しては論文を投稿し、JACSに掲載され表紙にも採用された。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)においては、CytC 以外の複合体においても最適化を進める。さらには、フィラーとしてBSAなどの蛋白質を加えて、酵素量を減らした複合化法を開発し、貴重な酵素の固定化法と活性向上法の確立を目指す。 (2)においては、Rh-MOP 以外の新規水溶性MOPの開発を進める。MOPのサイズ、形状と水溶性を制御し、その上で用いる酵素の種類を増やして、本複合化手法の「酵素の固定化手法」としての一般化を進める。 また、活性向上の機構が未解明であるため、電子顕微鏡を用いた観察、トモグラフィーと元素分布解析等から、MOP の分布および MOP-酵素界面の状態を評価する。さらに、CytC においては、活性中心の状態をESR等で評価する。
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Report
(2 results)
Research Products
(25 results)