Project/Area Number |
22K19130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 38:Agricultural chemistry and related fields
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 啓亮 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40632310)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | レドックス制御 / 光合成 |
Outline of Research at the Start |
酸化還元を基盤とした翻訳後修飾である“レドックス制御系”は、植物の光合成制御において重要な役割を果たしている。この制御系全体の包括的理解を目指した研究過程において、これまで知られていない還元力伝達経路が光合成の場である葉緑体に存在し、光合成反応を光照射に応答して迅速に制御している可能性を示唆する結果を得た。この発見を足掛かりとして、本研究では、未知の還元力伝達経路の実体を解明し、新規の光合成制御メカニズムを明らかにすることに挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
酸化還元を基盤としたタンパク質翻訳後修飾であるレドックス制御は、植物の光合成制御において必須の役割を果たしている。研究代表者は、この制御システム全体の分子機構と生理機能の包括的解明を目指して研究を行っている。その過程において、最近、これまで知られていなかった還元力伝達経路が葉緑体に存在し、光合成反応を光照射に応答して迅速に制御している可能性を示唆する結果を得た。そこで本研究課題では、未知の還元力伝達経路の実体を解明し、新規の光合成制御メカニズムを明らかにすることを目的とした。 これまで、研究代表者がプロテオミクス解析により見出した葉緑体チラコイド膜の新規レドックス分子候補に着目し、その機能解析を進めてきた。前年度までに、このレドックス分子候補がチラコイド膜のストロマ側に表在していることを明らかにしたものの、全長のリコンビナントタンパク質の発現・精製が律速となって試験管内での機能解析が思うように進んでいなかった。本年度は、N末端側のアミノ酸配列を改変することで大腸菌での発現向上に成功し、その後精製標品を得ることができた。このレドックス分子候補は酸化還元処理によってチオール基の状態を変化させていることを見出し、レドックス感受性を備えていることを明らかにした。また、ゲノム編集によって作成した該当分子のノックアウト株シロイヌナズナの表現型解析(生育解析・光合成解析)を行った。非ストレス条件では明確な表現型が認められなかったため、該当分子はストレス条件で機能している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
注目している新規レドックス分子候補に関して、前年度まで難航していた大腸菌でのタンパク質発現・精製をクリアし、その後の生化学解析に向けた土台構築を達成できた。生理学解析においては、シロイヌナズナを用いて該当分子の完全ノックアウト株を作出し、表現型解析を進めている。さらに、本研究を進める過程で、チラコイド膜のレドックス制御システムに関する新たな研究展開があった。以上より、本研究課題はおおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
タンパク質レベルでの機能解析を進め、注目するレドックス分子候補が還元力伝達活性を持つのか、その場合どのような葉緑体酵素を標的とするのかなどの分子の特徴づけを行う。精製タンパク質を用いた試験管内での構成的手法によって解析を進める。また、植物内での役割を明らかにするために、ノックアウト株を用いた生理解析を引き続き行う。通常の条件では表現型の変化を観測できなかったので、今後は条件を変えつつ測定パラメータを拡張して解析を進める(酸化ストレス条件での詳細な光合成解析など)。
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