Project/Area Number |
22K19167
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 39:Agricultural and environmental biology and related fields
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤本 優 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (60554475)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 圭介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40211461)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 根圏微生物 / メタゲノム / 作物 |
Outline of Research at the Start |
一握りの土にも数千種の微生物が生息している。こうした土壌微生物叢は、土壌の生態的機能や植物との共生機能を通じて作物生産を支える一方で、そのバイオマスや種構成は逆に作物側からの強い影響を受ける。持続的な農業生産が求められる今日、かかる複雑な作物と土壌微生物の関係性のメカニズムを探るあらたなアプローチの開拓が切望されてきた。 作物には、根の土壌微生物叢に大きな品種間差が存在するものがある。このような材料を対象に、微生物叢のデータと作物の遺伝学的情報を組み合わせることによって、微生物の種構成に関わる作物側の遺伝子を推定し、そのネットワークを把握することが可能となろう。これが本研究の目的である。
|
Outline of Annual Research Achievements |
土壌微生物叢は、土壌の生態的機能や植物との共生機能を通じて作物生産を支える一方で、そのバイオマスや種構成は逆に作物側からの強い影響を受ける。持続的な農業生産が求められる今日、かかる複雑な作物と土壌微生物の関係性のメカニズムを探るあらたなアプローチの開拓が切望されてきた。 作物には、その根圏内の土壌微生物叢に大きな品種間差が存在するものがある。たとえば、野生トマトは根圏中の細菌や糸状菌が量・種数ともに豊富であるが、同じ土壌で育てた栽培トマトは遙かに貧弱な根圏微生物叢しか持たない。このような作物を利用し、根圏微生物叢のメタゲノム、作物体のトランスクリプトーム等とQTL解析を組み合わせることによって、微生物の種構成に関わる作物側の遺伝子を推定し、そのネットワークを把握するための新たなアプローチを開拓する。具体的には、野生トマト×栽培トマト交配由来のQTL解析用集団(F9集団、110系統)を栽培し、根圏微生物叢のメタゲノム解析および作物体のトランスクリプトーム解析等を実施する。得られたメタゲノム情報(個々の微生物種の生息頻度)およびトランスクリプトーム等の情報(個々のトマト遺伝子の発現量)からメタゲノムQTLとトランスクリプトームの照合を行う。 今年度は、親系統(野生トマトおよび栽培トマト)を対象に、次世代シーケンシングにより全ゲノムを解読し、両親間の変異解析(VCFファイル作成)を行った。また、両親を有機農場の土壌で栽培して根および根圏土壌からDNAを採取、メタゲノム解析により共生細菌および根圏細菌の種構成を比較し、予備実験での差異の再現性を確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究自体はほぼ当初の計画に沿って進んでおり、この点に関する不安はない。しかしながら、昨年度は研究室におけるコロナ禍の影響が予想以上に長引いた上に、研究代表者の予期せぬ体調不良が重なり、実験の進捗については現在やや遅延が生じていることは否めない。今年度は可能な限り実験の効率化を図って、遅れを取り戻したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
上述のように、実験の進捗については現在やや遅延が生じているが、研究自体はほぼ当初の計画に沿って進んでいる。今年度は可能な限り実験の効率化を図って、遅れを取り戻したい。具体的には、野生トマト×栽培トマト交配由来のQTL解析用集団(F9集団、110系統)を栽培し、根圏微生物叢のメタゲノム解析および作物体のトランスクリプトーム解析等を実施する。得られたメタゲノム情報(個々の微生物種の生息頻度)およびトランスクリプトーム等の情報(個々のトマト遺伝子の発現量)からメタゲノムQTLとトランスクリプトームの照合を行っていく予定である。
|