Project/Area Number |
22K19188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 39:Agricultural and environmental biology and related fields
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
神村 学 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, グループ長 (60370649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 謙 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (10176159)
畠山 正統 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (50281142)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 構造色 / 可視マーカー / 不妊虫放飼 / ゲノム編集 / 干渉 |
Outline of Research at the Start |
光が分光、干渉することによって生じる構造色は、視認性が高く安定であるため、構造色を改変して野外個体に無い色彩を作ることができれば、不妊虫放飼やゲノム編集により機能強化した有用昆虫の野外使用に際して、理想的な個体/系統識別用の可視マーカーとして利用できると期待される。そこで本研究では、多くの昆虫で見られる薄膜干渉と多層膜干渉による構造色に注目し、これらの構造色の改変に利用できる遺伝子をRNA-seqとRNAiを組み合わせることにより見いだす。 将来的には、同定した遺伝子のゲノム編集により、野外個体では見られない構造色の色彩、パターンを作り出して可視マーカーとして利用する技術を開発することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
構造色は、光の波長程度のサイズの微細構造により、光が分光、干渉することによって生じる色である。構造色は視認性が高く安定であるため、構造色を改変して野外個体に無い色彩を作ることができれば、不妊虫放飼やゲノム編集により機能強化した有用昆虫の野外使用に際して、理想的な個体/系統識別用の可視マーカーとして利用できると期待される。そこで本研究では、多くの昆虫で見られる薄膜干渉と多層膜干渉による構造色に注目し、これらの構造色の改変に使える遺伝子を見いだす。これらの構造色の制御に関わる遺伝子をRNA-seqとRNAiを組み合わせることにより同定し、RNAiにより構造色を改変した個体の適応度が低下しないことまでを確認する。将来的には、同定した遺伝子のゲノム編集により、野外個体では見られない構造色の色彩、パターンを作り出して可視マーカーとして利用する技術を開発することを目指す。 本年度は、薄膜干渉構造色を持つ昆虫としてカブラハバチ、多層膜干渉構造色を持つ昆虫としてコガタルリハムシとコルリクワガタ、薄膜干渉構造色と多層膜干渉構造色の両方を持つ昆虫としてイラガセイボウを材料に、構造色を改変できる遺伝子を探索した。その結果、これら4種の全てで、構造色の改変に使える遺伝子を見いだし、それらのRNAiにより構造色による色彩を改変することに成功した。また、コルリクワガタは雌雄で異なる色彩の構造色を持つ。この雌雄間の構造色の違いを生み出す遺伝子を探索するため、雌雄の蛹からRNAを抽出してRNA-seqに供試飼、十分量の配列を取得する事に成功した。加えて、光学特性を精密に解析するための顕微分光システムの立ち上げもほぼ完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究が全て遅延無く進捗しているから。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定に沿って、RNAiにより作出した構造色改変虫について、飛翔能力、寿命、繁殖能力などを室内および半野外環境で無処理の虫と比較することにより、構造色改変個体で適応度が低下しないかを調べる。また、多層膜干渉構造色については不妊虫放飼での新規マーカーとしての実用化を念頭にアリモドキゾウムシを用いても実験を行う。
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