Project/Area Number |
22K19230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 41:Agricultural economics and rural sociology, agricultural engineering, and related fields
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
登尾 浩助 明治大学, 農学部, 専任教授 (60311544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 周一郎 明治大学, 農学部, 専任教授 (00243329)
矢野 健太郎 明治大学, 農学部, 専任教授 (00446543)
甲斐 貴光 明治大学, 農場, 特任准教授 (00806226)
塩津 文隆 明治大学, 農学部, 専任准教授 (60543907)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | SRI / AWD / トランスクリプトーム解析 / 水ストレス / インディカ種イネ / ジャポニカ種イネ / 陸稲 / 水管理 / SRI農法 / 温室効果ガス / ゲノムワイド関連解析 / 土壌微生物群集 / バイオインフォマティックス |
Outline of Research at the Start |
間断灌漑下で栽培したイネが増収する SRIは特に熱帯域において300%の増収が報告されている。一方、温帯域ではSRIを使って栽培すると20%減収する。熱帯域でSRIを適用するとなぜ増収するのであろうか? 我々の研究グループは、SRIに適した品種の選抜を実施してきた。SRIで多収量となる品種と湛水で多収量となる品種を比較すると、根の通気組織の発達具合が異なることを発見した。本研究では、ゲノムワイド関連解析を使ってSRIに適した品種選抜法を開発し、イネ通気組織の大きさに依存するCH4の生成・分解反応と土壌微生物群集の関係を明らかにし適切な水管理法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、異なる灌漑技術(SRIと湛水)と生物学的ストレス(水管理)を担うイネ品種との関連を比較し、特に干ばつ耐性を担う遺伝子に焦点を当てた。ゲノムの機能的側面を解釈し、細胞や組織の分子構成要素を明らかにすることで、農学的形質をより深く理解するためにトランスクリプトーム解析を実施した。圃場実験は2022年5月、9種類のイネを降雨遮断ライシメータ施設内の水田に移植した。IR64、コシヒカリ、ヒタチハタモチ、アイコク、ネリカ10、イラト109、アズセナ、ドウラドプレコセ、デュラールの9品種を、常時湛水区と湿潤乾燥(AWD)区の2種類の条件下で栽培した。AWDは、稲作集約化システム(SRI)で用いられている栽培方法の一つで、必要な水分を減らして作物の生育環境を改善する。AWD区では、テンシオメーターの数値が干ばつ状態を示す-40kPaに達したら灌水した。2022年8月に、栽培している全てのイネ品種から根と葉のサンプルを採取し、合計96個のサンプルを得た。このサンプルは、トランスクリプトームシーケンスのためにシークエンシング会社に送付した。しかし、残念ながら根のサンプルはすべて品質検査で不合格となり、次のステップに進むことができなかった。また、葉のサンプルも数個だけ合格し、さらなるテストとトランスクリプトームシーケンスに進んだ。トランスクリプトーム解析結果を解釈するために、バイオインフォマティクスツールであるCLC Genomic Workbenchプログラムを用いて、生物学的ストレス(干ばつ)によって制御される遺伝子を特定した。その結果、異なる灌漑条件下でイネを栽培した場合、異なる遺伝子が高発現することが明らかになった。この情報は、水ストレスに関連する農学的に重要な特徴を特定し、イネの生産性を向上させるために利用できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ライシメーター水田で栽培しているイネの根と葉の生体サンプリング技術の習得がかなり困難な状況であったため、品質管理で合格する割合が低くなった。その後、急遽インキュベーター内の砂培地を使って少数の品種を栽培したが、根の生体サンプルは期待したほどは品質管理を通過できなかった。粘質土の水田で間断灌漑を実施しているイネの根の生体サンプリングは極めて困難であることがわかった。さらに、洗い流しやすいと期待した砂培地においても容易ではなかった。業者にトランスクリプトーム解析を依頼する関係から、サンプリングのどこに問題があるかの把握が極めて困難な状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
根のサンプリング法の改良が必要である。試行錯誤を更に続けながらサンプリング法の改良を行う。2023年はインドネシアのSRI農法で栽培されているSintanurのサンプリングを計画している。Sintanurは間断灌漑で安定して高収量となることをこれまでのタイ国における実験からわかっているので、SintanurのRNA, DNAを解析できるとどのゲノムが間断灌漑下での高収量に寄与するかを解明できると期待される。
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