“ステロイドホルモン系”の原始左右相称動物での黎明は、共生藻がもたらしたか?
Project/Area Number |
22K19312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 44:Biology at cellular to organismal levels, and related fields
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坂本 竜哉 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (10294480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 晋治 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40345179)
濱田 麻友子 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (40378584)
坂本 浩隆 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (20363971)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 進化 |
Outline of Research at the Start |
ヒトなど後口動物のステロイドホルモン系の誕生における藻類の重要性に迫る。原始的な後口動物、珍無腸動物門が新設され、そのナイカイムチョウウズムシから、ステロイド受容体を我々は発見した。これこそ祖先型と思われ、脊索動物に収束している研究を変革させうる。既存にはない新奇の内因性リガンド活性も検出したが、この原料のコレステロールの共生藻による供給の可能性も示した。以上等から「後口動物の祖先は藻類を利用して『ステロイド系→視運動の制御』を獲得した」という仮説を立てた。これに、、リガンド同定等で挑む。明らかにする機能的原点は普遍性に繋がり、本系の分化の研究~内分泌学全体へインパクトがある。
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Outline of Annual Research Achievements |
原始的な後口動物、珍無腸動物門が新設された。そのナイカイムチョウウズムシから、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)系とともに、無脊椎動物で初めてグルコ/ミネラルコルチコイド・プロゲステロン・アンドロゲンの受容体族(SR)を同定した。祖先型と思われる。既存のアゴニスト、アンタゴニストが、この共通祖先(?)SRに作用する可能性は低いが、ムチョウウズムシの脂質の粗抽出画分にリガンド活性がみられた。新奇の原始リガンドが存在すると思われる。このリガンドの基のコレステロールを本種も持つが、合成に必要な遺伝子は欠損している。無腸ウズムシでは栄養の光合成産物と同様、体内に共生している藻類により供給されている可能性がある。もしかすると、栄養の利用を統合/中枢制御するために、このグルココルチコイドや、GnRH系の誕生というシンギュラリティの連鎖となったのかもしれない。進化の過程でのシンギュラリティは、共生などで他生物がもたらした?と妄想している。低温で飼育すると、生殖巣の発達が見られ、生殖細胞マーカーである nanos の発現は有意に増加した。この時、SRの発現も有意に増加した。共生藻からの主な供給物であるグルタミンやコレステロールを分解するglutaminase と hormone-sensitive lipase も、有意に増加した。以上の発現の相関から、低温では共生藻から供給される栄養の代謝が活性化することにより、性成熟が進行し、SRは、環境による代謝の変化を制御していると考えられる。これこそが基盤的機能かもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
“ステロイドホルモン系”に加え、GnRH系の検討も行った。また、分担の准教授が栄転したため。
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Strategy for Future Research Activity |
質量分析法や NMR により、内因性リガンドを構造決定する。定量系を作るとともに、生合成系を推定する。 機能を推定するため、リガンドとの動態を明らかにする。藻類共生/光走性にフォーカスする。 機能解明のため、同定したリガンドの投与や、SR遺伝子ノックダウンの影響を見出す。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Evolutionary differentiation of androgen receptor is responsible for sexual characteristic development in a teleost fish2023
Author(s)
Y. Ogino, S. Ansai, E. Watanabe, M. Yasugi, Y. Katayama, H. Sakamoto, K. Okamoto, K. Okubo, Y. Yamamoto, I. Hara, T. Yamazaki, A. Kato, Y. Kamei, K. Naruse, K. Ohta, H. Ogino, T. Sakamoto, S. Miyagawa, T. Sato, G. Yamada, M. Baker & T. Iguchi
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Journal Title
Nature communications
Volume: 14
Issue: 1
Pages: 1428-1428
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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