Project/Area Number |
22K19376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 47:Pharmaceutical sciences and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野中 元裕 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70514173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 真也 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (80381739)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | Nanobody / 抗体 / CDR / ファージディスプレイ |
Outline of Research at the Start |
免疫原性の問題とは、バイオ製剤の投与によって体内で抗薬物抗体が生成されることで、二次無効とよばれる薬効の低下や、予期せぬ副作用が生じることであり、最新の完全ヒト化抗体でもこの問題は解決していない。申請者らは、超可変領域を含む全ての配列がD-アミノ酸で作られた抗体である「鏡像低分子化抗体」に着目し、これまで本抗体が免疫原性をほとんど示さないことを明らかにした。本研究では、ヒット配列が含まれる可能性を向上させた免疫ライブラリーを作製に挑戦することによって、効率的に鏡像低分子化抗体を取得できる方法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで、生体内の標的タンパク質に結合活性を保持した鏡像低分子化抗体を取得するために、ファージディスプレイ法を応用した、鏡像スクリーニングを実施してきた。しかし、人工ランダムライブラリーではファージに提示できる多様性に限りがあり、標的に結合する配列を効率的に取得することが困難であった。そこで本研究では、マウスに標的D-タンパク質を強制的に免疫し、得られた超可変領域の抗体配列をNanobodyに移植する実験を目指すこととした。今年度は、(1)BALB/cマウスを用いて、フロイントアジュバント存在下で3回のD-MCP-1の免疫後に得られた血液検体を用いて、抗薬物抗体価を調べた。その結果、35日目のマウス血漿サンプルにおいて、D-MCP-1に結合し、L-MCP-1に結合しない抗体が産生されていることが明らかなとなった。(2)HIVウイルスのキャプシドタンパク質であるgp120に特異的なB12抗体の配列のうち、ScFv、あるいはScFvの重鎖領域のみの配列をファージゲノムDNAに移植したクローンを作製した。結合実験では、ScFvと比較してやや結合度は低いものの、重鎖領域のみを移植したファージにおいて、gp120に対して特異的に結合が認められた。次に、B12抗体の超可変領域CDR3(complementarity determining region 3)配列をNanobodyの一種CaplacizumabのCDR3へ移植したファージを作製した。興味深いことに、CDR3配列のみを移植したファージにおいても、一定程度のgp120への結合が認められた。以上の結果は、CDR3配列を異種の抗体配列からライブラリー化することで、鏡像ディスプレイ法によるNanobody配列探索の効率化が図れる可能性を示すものである。(3)現在、D-MCP-1を免疫したマウスより脾臓組織を回収し、免疫ライブラリーの作製を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度までに、モデルタンパク質であるgp120を用いて、既知抗体のCDR3配列のNanobodyへの移植実験を行ったところ、結合活性を有することを明らかにした。現在、D-タンパク質標的としてD-MCP-1を用いた免疫ライブラリーの作製を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、D-MCP-1に結合する全長抗体のcDNAライブラリーをマウス脾臓を用いて作製している。今後、重鎖抗体CDR3配列をNanobodyに組込んだT7ファージライブラリーを完成させる。鏡像スクリーニングによって特異的な濃縮を得たのちに、組換え体Nanobodyを用いた結合実験を行う。
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