一酸化窒素によるエピジェネティクス依存的誘導遺伝子のデータベース構築
Project/Area Number |
22K19380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 47:Pharmaceutical sciences and related fields
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上原 孝 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00261321)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / エピゲノム / DNAメチル化 / 誘導遺伝子 / メチル化 / データベース |
Outline of Research at the Start |
NOによるエピジェネティクスを介した遺伝子発現をデータベース化することは初の試みである.さらに,細胞種間で共通に誘導される,あるいは,特異的に誘導されるものを同定することで,今後,病態サンプルを解析した際に,対象遺伝子のプロファイリングに貢献できると推定される.最終的には,NOによる遺伝子発現を比較・個別化を図ることで、エピゲノム変化が介在する疾患発症のメカニズム解明の一助を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者は一酸化窒素(NO)がエピゲノムに重要なDNAメチル基転移酵素(DNMT)をS-ニトロシル化修飾し,酵素活性を阻害すること,それに伴うゲノムDNA脱メチル化が亢進し,遺伝子誘導が惹起されることを見出した.興味深いことに,RNA-seq解析によって,NO刺激に伴って発現レベルが変化する遺伝子数は決して少なく無いことが判明した.これにより,エピジェネティックに調節を受けている遺伝子が細胞種毎に存在することが示唆された.そこで,ヒト肺胞基底上皮腺がん由来細胞株A549,ヒト胎児腎臓上皮細胞由来細胞株HEK293,ヒト胚芽腫由来細胞株HepG2,ヒト結腸上皮腺がん由来細胞株Sw48,ヒト胃粘膜上皮がん細胞株AGSに対して,NOドナーを作用させ,トランスクリプトーム解析を行い,誘導遺伝子のプロファイリングを試みた.その結果,NOによって発現が変動する遺伝子(Differentially Expressed Genes: DEGs)(p<0.01)を各細胞株毎に同定することができた.つぎに,それらに機能的な共通性があるか否かをエンリッチメント解析したところ,全ての細胞で共通したものは存在しなかった.このことから,NOが発現誘導する遺伝子は,各細胞によって異なることが示唆された.そこで,NOによる組織特異的な遺伝子の発現の有無に関して,由来組織機能に着目してDEGsのプロファイリングを行ったところ,がんとの関連が強く示唆されたDEGは各細胞株において一定数検出されたが,相関性は認められなかった.加えて,組織由来の遺伝子も含まれていたものの, 高発現遺伝子は体内の多くの組織でユビキタスに発現しているものであった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異なる組織由来の5種類の細胞株を用いて,NO曝露による誘導遺伝子のプロファイリングを行った.詳細なデータ解析によって,がん化された細胞間では,NO曝露によって共通の誘導遺伝子は検出されなかった.一方で,複数の細胞で共通する遺伝子は特定することができた.この中,組織特異的な遺伝子やがん(増殖)に関わる遺伝子の発現が上昇することは無かった.NOはDNMTの酵素活性を阻害することで,脱メチル化を惹起して,遺伝子を誘導させるが,株化した培養細胞を対象とした実験では,組織特異的な遺伝子は多くは検出されず,また,他の臓器に由来するものも同様であることを明らかにすることができた.このような結果はこれまでに提示されておらず,初年度に実施して得た情報をプロファイリングすることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
初期的な検討では,マウス初代培養神経細胞では,他の臓器特異的な遺伝子の誘導が観察され,細胞死に連関している可能性が見出されている.以上の結果から,NOによる誘導遺伝子を解析するためには,株化された培養細胞よりも,種々のヒト正常細胞を使用した方が,体内での現象を再現できるのではと結論づけた.そこで,気道上皮細胞,大脳皮質神経細胞・グリア細胞,大動脈外膜線維芽細胞,大動脈平滑筋細胞,冠状動脈内皮細胞などに対して,NO曝露で変動する遺伝子の特定を進めることとした.RNA-seq解析後に,エンリッチメント解析やGO解析を行ってプロファイリングするとともに,興味深い遺伝子に関しては,DNMTニトロシル化阻害薬DBICの効果も併せて検討し,誘導機構についても迫る予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)