TrogocytosisによるMHCドレス化分子機構の解明
Project/Area Number |
22K19391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 47:Pharmaceutical sciences and related fields
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中山 勝文 立命館大学, 薬学部, 教授 (20453582)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | dendritic cells / cross-dressing / trogocytosis / MHCI / phosphatidylserine / トロゴサイトーシス / MHC / 樹状細胞 / アポトーシス |
Outline of Research at the Start |
我々はこれまでに細胞膜断片がダイナミックに細胞間移動するといった新たな生命現象の”trogocytosis”(かじるという意味のラテン語trogoに由来する造語)による免疫応答制御機構の解明に取り組んできた。今回、樹状細胞(DC)がアポトーシス細胞と接触した際にtrogocytosis経路により速やかにアポトーシス細胞由来MHCクラスI分子(MHCI)を身に纏う(ドレス化する)ことを見出しているため、本研究ではそのメカニズムの解明に取り組む。本研究はTrogocytosisという新たな生命現象の基本原理の理解へ繋がるのみならず、細胞性免疫疾患に対する治療法の開発へ波及することが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
マウス脾臓樹状細胞(DC)はDC1(XCR1+ CD8alpha+ CD11b- CD11c+ 細胞)とDC2(XCR1- CD8alpha- CD11b+ CD11c+ 細胞)の大きく2つのサブセットに分けられる。DC1はアポトーシス細胞を貪食し、その抗原をMHCクラスII(MHCII)だけでなくMHCクラスI(MHCI)上に提示する能力をもつ。その後者の抗原提示機構をcross-presentationと呼ばれる。一方、DC2は、細胞外抗原をMHCIIに提示する高い能力をもつが、アポトーシス貪食能とcross-presentation能力を持たない。本研究で我々は、DC1とDC2の両サブセットがアポトーシス細胞から速やかに細胞接触依存的にMHCクラスI分子(MHCI)を引き抜き、そのMHCIを用いて抗原提示(cross-dressing)することを見出し、一方、DC1とDC2はいずれも生細胞からMHCIをほとんど引き抜かないことが判明した。そのため我々は、これらDCはアポトーシス細胞上に表出するホスファチジルセリン(PtdSer)を認識してMHCIを含む膜断片を引き抜くのではないかと考え、その可能性を検討した。MFG-E8(Milk Fat Globular Protein EGF-8)という可溶型タンパク質のD89E変異体はPtdSerと高親和性に結合してマクロファージのPtdSer認識を阻害することが知られる。本研究で我々は、D89Eが、DC1によるアポトーシス細胞認識を阻害するだけでなく、DC1とDC2のMHCI引き抜きをも阻害することを見出した。これらの結果は、DCによるMHCIの引き抜きはPtdSer認識依存的に起こることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究により、DCはアポトーシス細胞上のPtdSerを認識してMHCIを引き抜くことが判明した。ただしPtdSer受容体として知られるTim4やTim3の関与は低いことが予備実験結果から判明している。そこで計画していたCRISPR activationシステムによる受容体の探索を行い、現在いくつかの候補遺伝子を単離している。これら候補分子の機能解析は、次年度の検討課題であるが、現在まではおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題については大きく2つの項目が挙げられる。一つ目はcross-dressingの生理的役割の解明である。従来のcross-presentation機構の重要性を明らかにしてきた数多くの論文はcross-dressing機構の存在を否定してきたが、なぜ最近になってcross-dressing機構が提唱されるようになったのかについて検証する必要がある。本研究で我々はすでにPtdSer依存的にcross-dressingが起こることを見出しており、この実験系を用いてcross-presentationとcross-dressingの生理的役割を比較する。二つ目は分子機構の解明である。MHCIの引き抜きに関与する新たなPtdSer受容体が存在する可能性が考えられるため、CRISPR activationシステム等を用いたスクリーニングにより明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Carbon nanotube recognition by human Siglec-14 provokes inflammation2023
Author(s)
Yamaguchi S-I, Xie Q,Ito F, Terao K, Kato Y, Kuroiwa M, Omori S, Taniura H, Kinoshita K, Takahashi T, Toyokuni S, Kasahara, K, and Nakayama M
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Journal Title
Nat. Nanotechnol.
Volume: -
Issue: 6
Pages: 628-636
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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[Book] 分子細胞生物学2023
Author(s)
中山勝文、他
Total Pages
603
Publisher
エルゼビア・ジャパン
ISBN
9784860346768
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