Project/Area Number |
22K19396
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 48:Biomedical structure and function and related fields
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 教郎 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20447254)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
|
Keywords | 酸素 / 遺伝子改変マウス / 個体発生 / 赤血球造血 |
Outline of Research at the Start |
血液循環系が成立するまでの初期胚では、酸素供給は胚周辺の溶存酸素の拡散に依存しているため、赤血球を介した効率的な酸素供給ができない。そのうえ、初期胚は細胞増殖や細胞移動に大量の酸素を消費するため、初期胚は全体的に重篤な低酸素状態に陥っている。本年度は、循環系成立前後のマウス胚を主な解析対象として、胚内酸素分布を明らかにする。また、低酸素領域においてHIFが活性化して赤血球造血因子産生を誘導することを示す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
好気性生物にとって酸素は生命維持・生命活動に不可欠であり、酸素不足は低酸素ストレスとして生命の存続を脅かす。しかし、動物の初期胚では、血液循環系による酸素供給システムが構築されておらず、胚周辺の溶存酸素の拡散に依存している。そのうえ、初期胚は細胞増殖や細胞移動に大量の酸素を消費するため、全体的に重篤な低酸素状態に陥っている。近年、初期胚における低酸素状態が低酸素誘導性転写因子HIFの活性化などを介して、正常な個体発生や形態形成に必要であるという知見が蓄積しつつある。そこで本研究では、循環系成立前後のマウス胚を用いて、胚固有の低酸素領域によって低酸素誘導性転写因子HIFが活性化することが、正常な赤血球造血因子産生に必要であることを示す。また、血管や神経組織などの正常な形成にも胎仔固有の低酸素環境が必要であることを確認し、胚内低酸素環境はストレスではなく、個体発生を誘導するシグナルとして必須の役割を担っていることを提唱することを目的とする。初年度では、マウスの血液循環系が成立する胎生9日目前後において、胎仔が全身性に低酸素状態に陥っており、HIF1aおよびHIF2aが活性化していることを確認した。また、赤血球造血因子エリスロポエチンの遺伝子発現がHIF活性化によって誘導されることを見出した。2年目の研究では、神経系の細胞が胚固有の低酸素環境によって未分化状態を保っていることを見出した。また、低酸素による未分化性維持には、エピゲノム制御が関与していることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の赤血球造血因子エリスロポエチンの産生に加えて、神経系細胞の未分化性維持に胚固有の低酸素環境が関与することを見出した。
|
Strategy for Future Research Activity |
胚固有の低酸素環境が神経系細胞の未分化性を維持する分子メカニズムについて、DNAメチル化およびヒストン修飾などのエピゲノム制御系に着目して解析を進める。
|