個体老化・加齢関連疾患の理解を目指した変性タンパク質アトラスマップの構築
Project/Area Number |
22K19398
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 48:Biomedical structure and function and related fields
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
城村 由和 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (40616322)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 老化 / プロテオスタシス / 神経細胞 / がん |
Outline of Research at the Start |
本研究は、LONRFファミリーの多様な変性タンパク質を認識する個性的なタンパク質特性を利用することで、個体老化・加齢関連疾患において蓄積する変性した異常タンパク質群を網羅的に同定・定量し、各臓器の変性タンパク質アトラスマップを構築することを目的とする。このアトラスマップが構築できれば、加齢に伴う臓器ごとのプロテオスタシス機能低下の遷移を明らかにできるとともに、臓器・疾患特異的な異常タンパク質の同定にもつながることで、これまで不明であった個体老化・加齢関連疾患に伴うプロテオスタシス機能低下のメカニズムの解明や新たなプロテオスタシスを標的とした創薬開発への足掛かりとなることが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質の品質管理・恒常性維持機構、いわゆる『プロテオスタシス』の破綻に伴う変性タンパク質の蓄積が個体老化・加齢関連疾患発症の鍵の一つであることは間違いないが、なぜ加齢に伴いプロテオスタシス機能が低下するのかについては不明な点が多い。重要なことに、一部の遺伝子変異を伴う神経変性疾患等を除いて、どのようなタンパク質が個体老化・加齢性疾患発症に伴い変性して異常に蓄積しているかに関する網羅的・統合的な解析は全く行われていないのが現状である。最近になり、研究代表者らは細胞老化過程で顕著に発現が増加する新規ユビキチンリガーゼLONRF2を同定した。このLORNF2は主に細胞核内に局在し、これまでに報告がないレベルで多様なモデル変性タンパク質と特異的に結合・分解できることを見出している。 本研究は、研究代表者らが見出したLONRFファミリーの多様な変性タンパク質を認識する個性的なタンパク質特性を利用することで、個体老化・加齢関連疾患において蓄積する変性した異常タンパク質群を網羅的に同定・定量し、各臓器の変性タンパク質アトラスマップを構築することを目的とする。 本年度は、まずLONRFファミリーに属する各遺伝子群の組織発現プロファイルを詳細に解析することで、基質の組織特異性が存在するのかどうかを検証した。その結果、LONRF1やLONRF3は組織全般にユビキタスに発現しているのに対して、LONRF2は脳組織に特異的に高発現することを見出した。さらに、マウス脳組織の一細胞遺伝子発現解析を行ったところ、LONRF2は脳内の様々な神経細胞の発現をすることも分かった。さらに、マウスの表現型などから、運動に関わる組織での発現も予想されていたが、実際に脊髄内の運動神経細胞においてもLONRF2は高発現していることも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
LONRFファミリーに属する各遺伝子群の組織発現プロファイルの詳細を解明することで、LONRF2に関しては神経細胞に特異的な標的基質が存在する可能性が高いことを明らかにすることができた。一方、大学の異動に伴う研究室のセットアップに相当の時間を要したため、変性タンパク質アトラスマップを構築するために必要となる生化学的アッセイ系の構築には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、前年度までに完成に至らなかった変性タンパク質アトラスマップを構築するために必要となる生化学的アッセイ系の構築を最優先に行う。特に、LONRF2に関して、神経細胞特異的な発現が認められたため、標的基質の探索が比較的容易であると考えられたため、集中的に研究を進める方針である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)