Project/Area Number |
22K19452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 50:Oncology and related fields
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岩崎 憲治 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 教授 (20342751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 聡 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 整形外科部長 (00588379)
古寺 哲幸 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (30584635)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | Ewing肉腫 / 天然変性タンパク質 / クライオ電子顕微鏡 / NMR / AFM / EWS-FLI1 / 創薬 |
Outline of Research at the Start |
Ewing肉腫発症の原因とされている融合タンパク質EWS-FLI1,そしてそのEWS領域やそれをN末端領域に含む野生型EWSR1の化学構造を明らかにする。大部分が天然変性タンパク質であることが予測されているため,クライオ電子顕微鏡,高速AFM,NMR,物理化学的な測定などを駆使してその構造,物性を明らかにし,Ewing肉腫発症機構解明の分子基盤を作る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題のターゲットタンパク質は染色体転座で生じるEWS-FLI1 融合タンパク質である。それはRNA結合タンパク質であるEWSR1のN末端領域とETS転写因子であるFLI1のC末端領域が融合した構造をもっている。 EWS-FLI1がクロ マチンリモデリング複合体に結合することで, 腫瘍特異的なエンハンサーへのBAF複合体のリクルートが起こり, 発がんに関連した遺伝子の活性化が起きるというメカニズムが提唱されている。そこで,研究計画では、全長およびフラグメントの発現・精製系の構築,EWSR1,EWS-FLI1,EWS-FLI1のEWS領域(EWS(1-270))とFLI1領域(FLI1(197-452))の 5つの発現系と精製系の構築を行うことをスタートとしていた。しかし,これらの全長およびフラグメントの精製を2022年度中に行うことができず、2023年度も引き続き取り組んだのだが、改善がみられなかった。設計していたフラグメントの分子量よりもどうしても小さい値をSDS-PAGEの結果が示すのである。EWS-FLI1とEWSR1ともにGSTタグを融合させてタンパク質として発現を試み、Glutathione Sepharose 4の担体を使って精製作業を行った。溶出したバンドは、単一バンドであるものの、GSTの分子量に近い位置に泳動位置を示すのである。 そこで、抗GST抗体とネガティブコントロールとして抗His抗体でウェスタンブロッティングを行った。結果的に抗GST抗体でのみ発色が観察された。これまで用いていた遺伝子は、メーカーに合成を依頼して納品されたものである。最終的に、納品されたオリジナルの遺伝子を増幅し、配列を調べたところ、BLASTでもヒットしない、つまり、全くどの遺伝子にも属さないデタラメな配列がプラスミドに挿入されていたことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
依頼して納品されていた合成遺伝子が、全くデタラメな配列であったため。配列データが付帯されて納品されていたので、これを信じて作業を行っていたが、実際に自ら配列チェックをすると、全く異なるものが合成されていた。このため、全てこれまで行ってきた実験が無意味なものであることが判明し、研究計画が大幅に遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
納品された遺伝子をメーカーに送り返して確認して頂いたところ、改めて遺伝子を合成したものを納品頂けた。今後は、この遺伝子について、まず自ら配列を確認した後に、発現・精製を行い、ウェスタンブロッティングで確認する。その後、タグを切断し、N末端解析を行う。それが確認されたら、CDスペクトルを温度変化をさせながら測定する。その後、15Nによる安定同位体ラベルしたフラグメントの精製に取り組み、成功したら溶液NMRによる1H-15N HSQCを測定する。
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