Project/Area Number |
22K19460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 50:Oncology and related fields
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
今野 大治郎 近畿大学, 理工学部, 准教授 (00362715)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | ハイブリドーマ / 微小液滴 / ドロップレット / モノクローナル抗体 / 機能性抗体 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的である高機能性抗体(高親和性・高選択性・機能抑制/亢進))を高確率に得るために重要なポイントは主に以下に示した3 つの点である。そこで本研究では、各項目の後に示した具体的な目標を達成する形で研究を進め、最終的にそれらを統合することにより、機能性抗体産生リンパ球のハイスループット単離法を確立する。 ① 免疫動物における高機能性抗体産生の惹起-->RNA 免疫法による高機能性抗体産生の惹起 ② 目的に合った手法によるスクリーニング-->微小液滴を用いた機能性抗体産生リンパ球の同定 ③ ハイスループット化-->セルソーティングと1 細胞遺伝子発現解析によるハイスループット化
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究実施計画で策定した3 つのAimを達成するため以下の実験を進めた。 (Aim1) 2022年度に引き続き本年度もRNA免疫法による高機能性抗体産生惹起の可能性を検討した。ターゲットについては複数の分子を検討したが、当初予定していたヒトCCR8については免疫機能への影響が懸念されたことから、これまでに当研究室におけてDNA免疫法による高機能性抗体の作製実績が豊富なヒトCD9について詳細な解析を進めた。ヒトCD9をコードする合成mRNA(1メチルシュードウリジンおよびCap1構造含有)を電位穿孔法によりマウスおよびラット腹側皮内へ導入し、ターゲット分子に対する抗体産生について免疫細胞化学的手法により検討した。その結果、DNA免疫と同程度の抗体価上昇が確認された。現在これらの免疫動物からハイブリドーマを作出し、高機能性抗体産生ハイブリドーマの出現割合をDNA免疫法と比較検討している。 (Aim2および3) 当初から検討していた微小液滴(ドロップレット)を用いた高機能性抗体産生リンパ球の同定は一定の成果が得られたが、直径100nm以上の微小液滴の作製が必須であったことから、既存の細胞ソーティングへの応用は困難であることが判明した。そこで別法として384wellプレートに抗原提示細胞を播種し、そこにハイブリドーマを1細胞ずつソーティングし、well内で抗原抗体反応・可視化を実施し、セミオート蛍光顕微鏡で陽性細胞含有wellを同定する方法により高機能性抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングを試みた。その結果、高効率で高機能性抗体産生ハイブリドーマを同定することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画で策定した3つのAim に関して予定通り計画を実施できた。しかしながら、実験の実施過程おいて複数の問題点が確認されたことから、それらを修正することで当初の目的である高機能性モノクローナル抗体の作出とハイスループットスクリーニング法の確立を目指した。その結果、多分岐ポリエチレングリコールを用いたハイドロゲル培地と1細胞/1well播種との組み合わせにより、ハイブリドーマ産生抗体と抗原との結合がin situで可視化可能となり、簡便かつ多くの細胞をスクリーニング可能な系を確立した。よって最終的にたどり着いた手法が当初の計画と異なるものとなったが、目的を達成する手段としては計画していた手法と遜色ないものであり、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに確立した多分岐ポリエチレングリコールを用いたハイドロゲル培地と1細胞/1well播種の組み合わせによるハイブリドーマスクリーニング法のさらなる改良を目指し、培養に使用するハイドロゲル培地の最適化を検討する。現在までの検討では多分岐ポリエチレングリコールと西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)を用いて作製したハイドロゲルは特定のハイブリドーマに対して毒性を示すケースがあることが我々の予備検討から明らかとなっている。これらの毒性はHRPの作用による微量な過酸化水素の発生に由来している可能性が考えられたことから、HRPを用いない酵素フリーのハイドロゲル作製法を考案し、その細胞生存率に対する効果の検討を予定している。 また微小液滴内での抗原抗体反応によるハイスループットスクリーニング法に関する条件検討も引き続き実施する。具体的には、微小液滴破壊後のゲル化液滴が多数凝集する問題を解決し、セルソーティングに使用可能なゲル化液滴回収法を確立する。さらに100nmを超える大きさの液滴を安定的にソーティングする方法を検討するため、ベックマンMofloなど大口径ノズルを搭載可能なセルソーターの応用を検討する。
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