全脳的遺伝子導入による霊長類疾患モデル動物作成法の確立
Project/Area Number |
22K19480
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 51:Brain sciences and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 謙一 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 助教 (90455395)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 霊長類 / ウイルスベクター / 疾患モデル / 行動解析 / モーションキャプチャ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、進化的にヒトに近縁な実験動物であるサル類において、改変ウイルスベクターを用いた全脳的な遺伝子導入法により疾患関連遺伝子の発現制御を行う、効率的な疾患モデル霊長類の作出法を確立することを目的とする。具体的には、霊長類新生児において全脳的かつ高効率なニューロンへの遺伝子導入を実現するキャプシド改変型のアデノ随伴ウイルスベクターを利用して運動疾患および精神疾患モデルサルを作出する。モデルサルの症状変化を効率良く検出するため、マルチカメラ撮像システムとAIを利用した行動解析システムを開発し、自然行動から効率的に種々の障害を検出・評価することを可能とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、進化的にヒトに近縁な実験動物であるサル類において、改変ウイルスベクターを用いた全脳的な遺伝子導入による疾患関連遺伝子の発現制御などの効率的な疾患モデル霊長類の作出法、およびAIを利用したモデル動物の症状の効率的かつ定量的な解析法を確立することを目的とする。今年度は、4-8台同期カメラによる複数サルの多視点撮像データから単独および複数頭の3Dモーションキャプチャを行なうアルゴリズムを開発した。具体的にはそれぞれのカメラ画像に対して、まずサル検出AI、個体識別AI、体部位検出AIの3種類の異なるAIを走らせ、その後全てのカメラからのデータを姿勢の類似性などを指標として統合して3次元姿勢の再構築を行ない、最後に間接長一定などの拘束条件によるスムージングを行なうパイプラインを構築した。検証実験の結果、マカクサル・マーモセットのどちらの種においても、グループケージ内の複数個体の自然行動において、高い精度で個体IDと各体部位位置の推定が出来ることが示され、現在その結果を論文にまとめている。また、これらのモーションデータから姿勢や運動および社会行動を解析する手法を開発し、AIの利用により疾患モデルザルの行動異常の解析を迅速かつ定量的に実施出来る体制を整備した。同時に、薬剤投与や全脳的遺伝子導入による遺伝子発現操作を利用したパーキンソン病および精神疾患モデルザルの作出実験を開始し、次年度以降のモデル動物の症状解析の準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の研究の目的および実施計画欄に記載した、8台同期カメラによる複数サルの多視点撮像データから単独および複数頭の3Dモーションキャプチャを行なうアルゴリズムの開発に成功し、モーションデータから姿勢や運動および社会行動を解析する手法の開発も順調に進展している。また、既に薬剤投与や全脳的遺伝子導入による遺伝子発現操作を利用したパーキンソン病および精神疾患モデルザルの作出実験を開始しており、研究は順調に進展していると判断出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
研究はおおむね順調に進展していると考えられるため、今後も当初予定に従い、AIを利用したモデル動物の症状の効率的かつ定量的な解析法の開発と、改変ウイルスベクターを用いた全脳的な遺伝子導入による疾患関連遺伝子の発現制御などの効率的な疾患モデル霊長類の作出法の開発をさらに進めていく。具体的には、3Dモーションキャプチャ系に関してはシングルケージでの運動症状解析用に4台同期カメラとアクリル扉による簡便な運動解析システムを構築し、パーキンソン病の症状の自動解析に取り組む。また、薬剤投与や全脳的遺伝子導入による遺伝子発現操作を利用した精神疾患モデルザルに対し前年度開発した社会行動の自動解析法をさらに発展させて応用し、その症状を検出することに取り組む。これらの研究により、効率的な疾患モデル霊長類の作出法、およびAIを利用したモデル動物の症状の効率的かつ定量的な解析法を確立し、霊長類を利用した疾患研究を加速させることを目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(32 results)
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[Journal Article] Perturbation of monoamine metabolism and enhanced fear responses in mice defective in the regeneration of tetrahydrobiopterin2022
Author(s)
K Miyajima, Y Sudo, S Sanechika, Y Hara, M Horiguchi, F Xu, M Suzuki, S Hara, K Tanda, K Inoue, M Takada, N Yoshioka, H Takebayashi, M Mori-Kojima, M Sugimoto, C Sumi-Ichinose, K Kondo, K Takao, T Miyakawa, H Ichinose
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Journal Title
J Neurochemistry
Volume: 161(2)
Issue: 2
Pages: 129-145
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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