Project/Area Number |
22K19481
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 51:Brain sciences and related fields
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
勢力 薫 大阪大学, 大学院薬学研究科, 助教 (90802918)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
|
Keywords | アデノ随伴ウイルスベクター / 神経科学 / 細胞種選択的プロモーター |
Outline of Research at the Start |
情動や記憶、ストレス応答には、モノアミン系や神経ペプチドなど様々な神経調節系の細胞が関与する。これら各細胞種は単独で働くのではなく、各種伝達物質を介した複数の細胞種間の相互作用が必要と考えられる。そこで本研究では、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)に用いられる調節性DNA配列などを最適化することにより、同一個体において多種類の細胞種を多重標識するための新規細胞標識AAVツールの構築を目指す。これにより、同一個体内における複数細胞種間の軸索分布の比較や、神経活動計測を可能にする技術の確立を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、神経科学研究においてin vivo遺伝子導入に利用されるアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて、神経細胞の細胞種選択的に遺伝子を発現させる新たな細胞標識AAVツールの構築を目指している。これまでに、組み換えAAVゲノム上の調節性配列の配置を独自に最適化し、神経ペプチドやモノアミン神経などの神経修飾系の細胞種を標的としたAAVベクターを構築してきた。当該年度は、セロトニン神経を標的としたAAVの構築に加えて、昨年度に引き続きドパミン神経への遺伝子導入を可能にするAAV構築およびマウスへの脳内局所注入条件の最適化を実施した。その結果、セロトニン神経用のTPH2プロモーターおよびドパミン神経用のTHプロモーターともに、昨年度までに構築してきたオキシトシン神経用AAVと同じ注入量では非特異的な発現が認められた。そこで非特異的発現を回避するために、AAVの注入量を低減する等の条件を検証した結果、従来の一般的な配列構成のAAVでは、注入するウイルス量の減少に伴って顕著な遺伝子発現効率の低下が認められたものの、独自に構築した配列構成のAAVでは、標的とする細胞種に対する標識効率を80%以上に維持しつつ、細胞種選択性を向上できることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに構築したオキシトシン神経に選択的な遺伝子発現を可能にするAAVに加えて、他の細胞種にも応用できることを示すことができたことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
現時点では、構築した技術を用いて蛍光タンパク質などを発現させる場合には細胞腫特異的な発現が認められているものの、光遺伝学ツールであるチャネルロドプシンの一部などを発現させると非特異的な発現が生じる場合がある。搭載する遺伝子の配列など、何らかの要因によって発現効率や細胞種選択性が影響を受けると考えられるため、発現遺伝子周辺の非コード領域の改変などを通して改善可能か検証する。 また、野生型マウスの同一個体において二種類以上の細胞種を多色の蛍光タンパク質で標識し、その軸索分布の細胞種間比較や、カルシウム感受性蛍光タンパク質を用いた多種細胞の神経活動計測に向けた実験系の確立に取り組む予定である。
|