Altered lipid metabolism in dying cells triggers chronic inflammation
Project/Area Number |
22K19524
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 53:Organ-based internal medicine and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅波 孝祥 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (50343752)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 慢性炎症 / 急性腎障害 / 尿細管上皮細胞 / 細胞死 / マクロファージ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、死細胞センサーのMincleに着目して、障害尿細管における脂質代謝変容がどのようにして内因性Mincleリガンドの産生に繋がり、急性腎障害の慢性化に働くかを明らかにする。内因性Mincleリガンドのβ-GlcCerは、ゴーシェ病等の遺伝性難病において蓄積するが、非遺伝性疾患における産生制御機構は全く分かっていない。本研究の成果により、死にゆく細胞が能動的な代謝変化を介して周囲の細胞にメッセージを発信することが明らかになり、新たな細胞間ネットワークのプロトタイプになると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、新しい細胞死の様式が次々と報告され、炎症慢性化における意義が注目されているが、死細胞側の細胞内代謝については注意が払われてこなかった。研究代表者はこれまでに、マクロファージに発現する自然免疫センサーのmacrophage-inducible C-type lectin(Mincle)が、急性腎障害における壊死尿細管を感知して炎症慢性化に働き、腎萎縮をもたらすことを見出した。即ち、大量の尿細管壊死が生じる急性期の後、浸潤マクロファージの約10%を占めるMincle発現マクロファージが壊死尿細管を取り囲んでユニークな微小環境(CLS: crown-like structure)を形成する。この時、壊死尿細管にβ-グルコシルセラミド(β-GlcCer)が過剰に蓄積し、内因性リガンドとしてMincleを活性化することで炎症慢性化に働くことを報告した。そこで本研究では、死にゆく細胞において脂質代謝がどのように変容してβ-GlcCerが蓄積するのかを解明し、炎症慢性化における意義を明らかにする。本年度は、急性腎障害モデルのRNA-seq解析の結果から、β-GlcCer代謝酵素Aに着目して検討を行った。種々の急性腎障害モデル、および培養近位尿細管上皮細胞を用いて、障害時に代謝酵素Aの遺伝子発現が顕著に低下すること、代謝酵素Aをノックダウンするとβ-GlcCerが蓄積すること、さらに細胞死を誘導するとMincle活性化が増強することを見出した。そこで、近位尿細管上皮細胞において時期特異的に代謝酵素Aをノックアウトする遺伝子改変マウスの作製に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、急性腎障害モデルにおいて、障害を受けて死にゆく尿細管上皮細胞における脂質代謝変容に着目し、炎症慢性化の分子機構の解明を目指す。本年度は、トランスクリプトーム解析により鍵となる代謝酵素を同定し、in vitroにおいてその機能的意義を明らかにした。さらに、in vivoの解析にも着手しており、順調に研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
従来、アポトーシスでは、細胞死を制御するカスパーゼ依存的にポリアミン代謝の変容が生じ、細胞外に放出されたスペルミジンが免疫細胞に対して炎症抑制的に作用することが報告されている。一方、ネクローシス型の細胞死において、死にゆく細胞の代謝変容が炎症慢性化にどのように関与するかは明らかでなかった。本研究では、現在作製中の遺伝子改変マウスを用いて、時期特異的に代謝酵素Aを近位尿細管上皮細胞で欠損させ、正常および腎障害時において炎症に及ぼす影響を検討する。Creマウスとfloxマウスは既に入手し、現在順調に交配していることから、次年度に目的のマウスを得ることが可能である。実際に、目的遺伝子が欠損し、β-GlcCer代謝が変化することを確認した上で、急性腎障害モデルを作製する予定としている。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)