バイスタンダー効果を増強する新規化合物による腫瘍不均一性を克服するがん免疫療法
Project/Area Number |
22K19532
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 53:Organ-based internal medicine and related fields
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 裕明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40374673)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 腫瘍不均一性 / がん免疫療法 / バイスタンダー効果 / インターフェロン |
Outline of Research at the Start |
腫瘍には不均一性が存在し、免疫治療の標的抗原や抗原提示に必要な分子を欠損した腫瘍細胞クローンの混在が免疫治療の有効性を阻んでいる。一方、抗原陽性細胞への免疫応答に伴い周辺の抗原陰性細胞に傷害をもたらす「バイスタンダー効果」が知られる。本研究では、研究代表者らが最近発見した新規化合物XがT細胞が産生するインターフェロンガンマと協調してバイスタンダー効果を増強する際の分子機構を明らかにし、ヒト及びマウスの腫瘍を用いたがん免疫療法モデルにおいて、抗原特異的免疫療法と化合物Xの併用療法の効果を明らかにする。さらに化合物Xの分子構造の最適化を検討することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
最近、腫瘍に対する免疫療法が大きく期待されるが、腫瘍には不均一性が存在し、治療の標的抗原や抗原提示に必要な分子を欠損した腫瘍細胞クローンの混在が免疫治療の有効性を阻んでおり、その克服は大きな課題である。一方、がん免疫療法において、抗原陽性細胞への免疫応答に伴い周辺の抗原陰性細胞にも一定の傷害をもたらす現象が「バイスタンダー効果」として知られるが、その詳細な分子機構は依然不明な部分が多い。研究代表者らは細胞死の一形態であるフェロトーシス現象がインターフェロンガンマによって増強されることを利用した抗原陰性腫瘍細胞の細胞死誘導が可能であることを示してきた。本研究では、研究代表者らが最近発見した新規化合物XがT細胞が産生するインターフェロンガンマと協調してバイスタンダー効果を増強する際の分子機構を明らかにし、ヒト及びマウスの腫瘍を用いたがん免疫療法モデルにおいて、抗原特異的免疫療法と化合物Xの併用療法の効果を明らかにする。さらに化合物Xの分子構造の最適化を検討することを目指す。 2022年度は以下の研究を行なった。 (1)ヒトのメラノーマ、膵臓がん、白血病細胞、肝臓がん等の複数の腫瘍細胞株において、化合物Xがインターフェロンガンマと協調して細胞死を誘導することをインビトロの実験系において明らかにした。 (2)抗原特異的なT細胞が抗原陽性腫瘍細胞と反応する際に、化合物Xが存在すると近傍の抗原陰性腫瘍細胞にも細胞死が誘導されることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
化合物Xがインターフェロンガンマと協調して、メラノーマ細胞株のみでなく、様々な腫瘍細胞株に効率良く細胞死を誘導することが明らかとなり、本治療法のコンセプトが多くのがん種の治療に応用される可能性が示された。さらに、T細胞との共存により化合物Xが抗原陰性腫瘍細胞にも細胞死を効率良く誘導することも示され、化合物Xを用いて腫瘍不均一性を克服するがん免疫療法の開発が順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度以降は以下の方針で研究を推進することを計画している。 (1)抗原陽性腫瘍細胞と抗原陰性腫瘍細胞が混在した不均一性ヒト腫瘍モデルを作成し、化合物Xと抗原特異的T細胞との併用により不均一性腫瘍を効率よく排除可能とする治療モデルをインビトロ及びインビボにて作成する。 (2)マウスの腫瘍系においても化合物Xがインターフェロンガンマと協調して腫瘍細胞死を誘導する可能性を検討し、腫瘍不均一性を克服したがん免疫療法のマウスモデルを構築する。 (3)化合物Xが細胞死を誘導するメカニズムを解明する。 (4)化合物Xの分子構造の最適化を検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(19 results)
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[Journal Article] NY-ESO-1-specific redirected T cells with endogenous TCR knockdown mediate tumor response and cytokine release syndrome2022
Author(s)
Ishihara M, Kitano S, Kageyama S, Miyahara Y, Yamamoto N, Kato H, Mishima H, Hattori H, Funakoshi T, Kojima T, Sasada T, Sato E, Okamoto S, Tomura D, Nukaya I, Chono H, Mineno J, Kairi MF, Diem Hoang Nguyen P, Simoni Y, Nardin A, Newell E, Fehlings M, Ikeda H, Watanabe T, Shiku H.
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Journal Title
J Immunother Cancer
Volume: 10
Issue: 6
Pages: e003811-e003811
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Chimeric antigen receptor T-cell therapy targeting a MAGE A4 peptide and HLA-A*02:01 complex for unresectable advanced or recurrent solid cancer: protocol for a multi-institutional phase 1 clinical trial2022
Author(s)
Satoshi Okumura, Mikiya Ishihara, Naomi Kiyota, Kimikazu Yakushijin, Kohichi Takada, Shinichiro Kobayashi, Hiroaki Ikeda, Makoto Endo, Koji Kato, Shigehisa Kitano, Akihiko Matsumine, Yasuhiro Nagata,...Hiroshi Shiku
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Journal Title
BMJ Open
Volume: 12(11)
Issue: 11
Pages: e065109-e065109
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] NY-ESO-1/TCR-T細胞輸注後のサイトカイン放出症候群に関連するT細胞特性2022
Author(s)
影山慎一, 宮原慶裕, 石原幹也, 岡本幸子, 戸村大介, 糠谷育衛, 蝶野英人, 峰野純一, 渡辺隆, 池田裕明, 珠玖洋
Organizer
第26回日本がん免疫学会総会
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[Presentation] 腫瘍不均一性の克服へ向けた「ステルスT細胞」を用いたがん免疫療法の開発2022
Author(s)
安井潔, 岡田怜美, 江原大輔, 魚谷周平, 森爽太, 岡本幸子, 峰野純一, 村岡大輔, 江口晋, 室田浩之, 池田裕明
Organizer
第26回日本がん免疫学会総会
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