Discovering novel genetic alterations in highly complicated genetic regions of pediatric brain tumors
Project/Area Number |
22K19591
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 56:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
|
Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
鈴木 啓道 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (90751024)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
|
Keywords | 脳腫瘍 / 遺伝子変異 / 全ゲノムシークエンス / 変異解析 |
Outline of Research at the Start |
脳腫瘍の中には全ゲノムシークエンスを用いた遺伝子異常解析を行っても、未だ原因となる遺伝子異常が見つかっていない疾患がある。これらの疾患においてはなぜ腫瘍が生じるか不明であるため、新しい治療の開発が進まない。ヒトゲノムの約半分は解析が難しい繰り返し領域で構成されているため、遺伝子異常が見逃されている可能性がある。このような解析困難領域も含めて遺伝子異常を解析できる手法を確立し、発症原因が不明な悪性脳腫瘍に対して原因遺伝子異常の同定を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、解析が十分に行われていない繰り返し領域や相同性の高い領域を解析する手法を確立し、ドライバー遺伝子異常が未だ同定されていない小児悪性脳腫瘍を解析対象とし、原因遺伝子変異を同定することを目的として研究を進めている。 Group 4髄芽腫において、新規の遺伝子異常を同定した。Group 4髄芽腫は発達段階にある胎児脳の菱脳唇脳室下帯に存在する神経前駆細胞が起源細胞と考えられ、CBFA2T2・CBFA2T3・PRDM6・KDM6Aを含んだCBFA複合体に異常が生じることで発生していることを明らかにした。CBFA複合体に異常が生じることで、神経前駆細胞は正常な分化が阻害され、正常な神経細胞に分化できなくなる。神経前駆細胞は出生時には神経に分化して消失していなければならないが、分化異常のため出生後も遺残することにより髄芽腫の発生母地となることを明らかにした。 解析困難領域の解析手法を整えており、寛容なマッピングを用いた解析困難領域の解析を対象疾患計501例に対して行った。さらに精度をあげるために、フィルタリングの改良などを行う予定である。また、ショートタンデムリピートの解析も進んでおり、対象疾患約400例の解析に対して解析を行った。現在のところ、疾患特異的である有意な異常伸長は同定されていない。引き続き解析を進めていく。また、既知のショートタンデムリピートとトランスポソンによる転移因子を解析するアルゴリズムの導入を行い、今後解析を進めていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Group 4髄芽腫326例を解析した結果、CBFA2T2とCBFA2T3遺伝子に有意に異常が集積していることを発見した。CBFA2T2とCBFA2T3遺伝子異常は既知のドライバー遺伝子であるPRDM6とKDM6Aの異常と相互排他的に生じていており、腫瘍の発生に重要な異常であることが示唆された。髄芽腫細胞株を用いて、細胞内でCBFA2T2と相互作用しているタンパク質を解析すると、PRDM6とKDM6Aが同定された。そのため、CBFA2T2, CBFA2T3, PRDM6, KDM6Aは細胞内でCBFA複合体を形成していると考えられ、いずれかの遺伝子に異常が生じることで髄芽腫が発生していることが示唆された。発達段階の小脳において、CBFA2T2およびCBFA2T3が発現している部位を調べたところ、菱脳唇の脳室下帯で強く発現していた。正常発達脳の一細胞シークエンスデータと比較しても、Group 4髄芽腫は菱脳唇の脳室下帯の神経前駆細胞に非常に類似しており、この細胞がGroup 4髄芽腫の起源細胞であると考えられた。Group 3髄芽腫の細胞株でドライバー遺伝子であるOTX2をノックダウンすると、正常細胞を模倣するように分化し、その過程でCBFA2T2とCBFA2T3の遺伝子発現が一時的に上昇することがわかった。このことから、Group 4髄芽腫は菱脳唇の脳室下帯の神経前駆細胞が起源細胞と考えられ、CBFA複合体に異常が生じることで細胞の分化が阻害され、本来出生時には消失しているべき細胞が遺残し、腫瘍化していることが考えられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
CBFA複合体の異常が発見されたため、Group 3およびGroup 4の髄芽腫の発生機序が解明された。しかし、CBFA複合体異常を含めてもまだドライバー遺伝子異常が同定できない髄芽腫症例があるため、引き続き髄芽腫に対しても解析を進めていく。 寛容なマッピング(Multiple mapping)を用いた解析困難領域の変異解析はこれまで、髄芽腫444症例、上衣種24症例、脈絡叢腫瘍33症例に行ってきた。また、対照として成人神経膠腫350 症例に対しても行っている。体細胞変異に対する解析手法を作成し、現実的なコンピューターリソースで解析できるように整えた。解析困難領域に存在することがわかっているU1 snRNA変異に関しては問題なく変異の同定ができており、感度に問題はないと考えられる。今後、結果を詳細に見ながら追加フィルタリングを行い、結果の精度を高めていく。 シークエンスリードの直接比較による繰り返し塩基配列の異常伸長の解析の解析は約8割の症例で完了した。Germlineにおける3塩基の繰り返し塩基配列の異常伸長の解析を行ったが現在のところ疾患特異的な異常は同定されていない。そのため、3塩基以外の繰り返し配列も解析していく。また、異常伸長の体細胞性異常については染色体コピー数異常の影響を受けるため、コピー数異常を補正した解析手法を確立していく必要があり、今後進めていく予定である。 また、既知のショートタンデムリピートを解析するExpansion Hunterアルゴリズムとトランスポソンによる転移因子を解析するxTeaアルゴリズムの導入を行っており、これらも利用して繰り返し配列の解析を行っていく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(23 results)
-
-
-
-
-
[Presentation] WHOLE-GENOME SEQUENCING ANALYSIS OF ADULT GLIOMAS2023
Author(s)
Hiromichi Suzuki, Takuma Nakashima, Yusuke Funakoshi, Atsuhito Uneda, Shota Tanaka, Joji Ishida, Ryuta Saito, Ryosuke Hanaya, Koji Yoshimoto, Yoshitaka Narita
Organizer
23rd International Conference on Brain Tumor Research and Therapy
Related Report
Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Dissecting the molecular complexity underlying glioblastoma by genomic and transcriptome profiling2022
Author(s)
Takuma Nakashima, Yusuke Funakoshi,Shohei Nambu, Atsuhito Uneda, Kotoe Katayama, Ryosuke Hanaya, Seiya Imoto, Shota Tanaka, Ryuta Saito, Koji Yoshimoto, Yoshitaka Narita, Hiromichi Suzuki
Organizer
第81回日本癌学会学術総会
Related Report
-
[Presentation] Whole-genome sequencing and comprehensive molecular profiling of Astrocytoma, IDH-mutant2022
Author(s)
Yusuke Funakoshi, Takuma Nakashima, Shohei Nambu, Atsuhito Uneda, Kotoe Katayama, Seiya Imoto, Ryosuke Hanaya, Shota Tanaka,Ryuta Saito, Koji Yoshimoto, Yoshitaka Narita, Hiromichi Suzuki
Organizer
第81回日本癌学会学術総会
Related Report
-
[Presentation] Whole genome multi-omics landscape of Oligodenderoglioma, IDH-mutant and 1p/19q-codeleted2022
Author(s)
Yusuke Funakoshi, Takuma Nakashima, Shohei Nambu, Atsuhito Uneda, Kotoe Katayama, Seiya Imoto, Ryosuke Hanaya, Shota Tanaka,Ryuta Saito, Koji Yoshimoto, Yoshitaka Narita, Hiromichi Suzuki
Organizer
第81回日本癌学会学術総会
Related Report
-
-
-
-
-
[Presentation] 全ゲノムシークエンスを用いた脳腫瘍の病態解明と患者還元2022
Author(s)
鈴木 啓道, 中島 拓真, 舟越 勇介, 畝田 篤仁, 杉原 由利子, 南部 翔平, 金森 政之, 隈部 俊宏, 鈴木 智成, 木下 学, 園田 順彦, 荒川 芳輝, 永根 基雄, 田中 將太, 石田 穣治, 齋藤 竜太, 花谷 亮典, 吉本 幸司, 成田 善孝
Organizer
第40回日本脳腫瘍学会学術集会
Related Report
Invited
-
-
-
-
-