Project/Area Number |
22K19648
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 58:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷口 香 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40599784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 雅布 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80616235)
宮石 智 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90239343)
山崎 雪恵 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60444676)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 胎齢推定 / 胎盤 / 臍帯 / 嬰児殺 / 死胎 |
Outline of Research at the Start |
法医解剖の対象となる妊婦や嬰児の死体では、母体が妊娠に気づいていない、妊娠経過に関する虚偽の申告、妊婦健診未受診などに加えて、腐敗や自己融解といった死後変化の影響を受ける等の事情により、妊娠週数(胎齢)の推定が困難な場合が少なくない。本研究では、胎盤や臍帯組織の病理所見に基づいた胎齢推定法の確立を目指す。 胎盤の主たる構成成分である絨毛組織の構成細胞の割合の変化を数値化により表す。また臍帯に含まれる血管にも着目して、その径や壁厚等、組織所見の変化を数値化し、いずれも胎齢との相関性を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、胎盤や臍帯組織の病理所見に基づく死胎児の週齢(胎齢)推定法を確立することにより、異状死体として発見された妊婦死亡や嬰児死体の胎齢推定に役立て、法医解剖鑑定への実際応用につなげることを目的としている。 研究方法としては、既知の妊娠週数の胎盤及び臍帯の染色標本を用いて、特定の細胞の計数を行った上で、細胞数やその相互の比、或いは構造特徴との関係を明らかにし、それに基づいた胎齢推定の数式の策定を目指す。現時点での具体的な計画としては、胎盤組織であれば絨毛における細胞性および合胞性栄養膜細胞、臍帯組織であれば血管径と血管壁平滑筋細胞を対象とする。 研究材料について、当大学病院の分娩例の組織検査用検体、および当法医学教室での鑑定例の検体を計画し倫理申請を行った結果、既存の法医鑑定試料について承認されたことから、過去20年における法医鑑定全例をレビューした。その結果、胎盤ないし臍帯が鑑定資料となっていた可能性のあるものが26例あった。これらの中から、本研究の目的に資する鑑定例を12例見いだすことができた。また、具体的な細胞同定および計数などを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
過去20年における胎盤・臍帯を含む法医鑑定は26例に上ったが、本研究の目的達成に資するものは12例に止まり当初予想より少なかった。具体的な細胞同定および計数などを実施したが、鑑定資料の状態が悪いもの(腐敗が進行した事例、当初の組織前処理定が不適切、保存期間中の試料の劣化、ほか)が含まれており、正確な細胞同定は必ずしも容易ではなく、予想より時間を要した。当大学病院にて分娩後組織検査のために提出された検体については、倫理審査において想定外の指摘を受けて年度内承認が得られなかったことも、進捗の遅れになった。
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Strategy for Future Research Activity |
法医鑑定試料の例数は少なかったが研究は起動でき、今後のスピードアップに向けて展望が開けている。分娩後組織検査検体については、倫理上の適正な利用基準を策定し倫理審査における承認を可及的に早く得るよう努める。法医鑑定試料については、当法医学分野は100年の歴史を刻んでいることから、更に検索対象年数を増やすことも検討する。 法医鑑定試料を用いた今年度の検討では、計画していた細胞の同定や計数が必ずしも容易でない可能性も示唆された。分娩後組織検査検体の研究使用が可能になれば、まず20例~30例程度をパイロットスタディ的に調べ、その結果によっては、同定・計数の対象とする細胞種の追加ないし変更、ならびにその場合に必要となる新たな組織染色の検討を視野に入れる。また、現在研究の最終目的に据えている胎齢推定式の策定に関して、研究の迅速化の観点から、2つの組織(胎盤および臍帯)の両方についてではなく何れかに一本化して行うことも考慮しつつ研究を進める。
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