Project/Area Number |
22K19677
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 58:Society medicine, nursing, and related fields
|
Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
内田 薫 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 講師 (30724132)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 哲昭 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (90235680)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | ネグレクト / オキシトシン / 母乳 / 腸内フローラ |
Outline of Research at the Start |
ネグレクトは問題解決の必要性が高いにも関わらず、原因分子やメカニズムの解明が一向に進んでいない。うつ病などの精神障害において腸内フローラが重要な役割を果たす「腸脳相関」に関する報告に着目し、腸内フローラの破綻がネグレクトの原因ではないかと仮定した。本研究は、正常な腸内フローラの再構築によりネグレクトを回避する可能性を探ることを目的とし、まずネグレクトマウスにおける腸内フローラの解析によって特性を見出す。そしてプロ-およびプレ-バイオティクスの経口投与や便移植により腸内フローラが再構築された個体について、育児行動解析によるネグレクト回避の検証を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、問題解決の必要性が高いにも関わらず、原因分子やメカニズムの解明が一向に進んでいないネグレクトについて、腸脳相関に関するエビデンスに着目し、腸内フローラの破綻がネグレクトの原因ではないかとの仮定のもと、ネグレクトマウスにおける腸内フローラを解析し、ネグレクト回避のための腸内環境を構築することを目的とする。 令和4年度は、最近新たに見出された低オキシトシン母乳によるネグレクトマウスの特性について解析した。下垂体後葉ホルモンであるオキシトシン(Oxt)は、哺乳動物において、分娩時の子宮収縮や乳汁の分泌(射乳)を促進するペプチドホルモンである。ホルモン(内分泌物質)でありながら、母乳中にも存在する(外分泌)分泌様式を持つ。生化学的手法を用いて、Oxt 抗体を結合させたビーズを充填したカラムにマウスから搾乳した母乳を通すことにより、Oxt量を低下させた母乳(低Oxt母乳、71%のOxt除去)を作製することができた。この低Oxt母乳で哺育された雌マウスは、成獣となり、交配・分娩後、次世代への育児行動を強く放棄することを見出した。この低Oxt母乳にOxtを添加したもので哺育すると、母獣となった際に、ネグレクトが回避されることを確認できた(未発表)。一方、Oxtを完全に含まない母乳(無Oxt母乳)を得るために、オキシトシン欠損マウス(Oxt -/-)を導入した。現在、多様な実験に使うために繁殖させ、各遺伝子型における実験群を確立させている。さらに、Oxtを完全に含まないマウスの人工乳を作製した。現在、人工乳と正常なマウス母乳との成分比較をアミノ酸分析装置やガスクロマトグラフ質量分析装置等を使って解析している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腸内環境の再構築による育児放棄予防の解析を進める上で必要なネグレクトマウスとして、当初はプロラクチン(PRL)シグナルの受容に障害を持つマウスを使用することを考えていた。一方、研究分担者の下川らは、母乳中のオキシトシン(Oxt)が将来の育児行動を発現させるために必要であることを「低Oxt母乳」の投与により見出した。低Oxt母乳で哺育された雌マウスは、交配・分娩後、次世代への育児行動を強く放棄する。新生仔マウスが吸入するOxtを含む母乳の方が、PRL受容と比較して腸内フローラに直接関与する可能性が高いと考え、「低Oxt母乳」で哺育されたマウスをネグレクトマウスとして使用することにした。しかし、微量なホルモンの作用を除くためには、「低Oxt母乳」ではなくOxtを一切含有していない母乳が必要である。そこでOxt欠損マウスを導入した。さらに、Oxtを完全に含まないマウス人工乳の作製を試みた。これらの作業により当初予定していた研究の進展が「やや遅れている」となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
ネグレクトマウスの作出検討が落ち着いてきたため、今後は当初の予定通り、腸内フローラの解析を進める。ネグレクトマウスおよび正常育児マウスの周産期における様々な時期の糞便を採取し、腸内フローラを網羅的に解析する。また、採取した糞便から腸内フローラの安定に必要な分泌型IgA(sIgA)をELISA法で測定する。それらと並行しながら、プロ-およびプレ-バイオティクス投与による腸内フローラの再構築に関する実験として、腸内環境を整えるとされる生菌や食物成分から投与物を選定するために、非妊娠時マウスを用いてストレス負荷に対する行動変化を評価し、効果を比較する。投与物決定後、ネグレクトマウスに投与を行う。一方、便移植の技術訓練も進めていく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)