スマートナーシングシステムに導入する排便予測指標となる腸電位パターンの探索

• Project/Area Number: 22K19687
• Research Category: Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
• Allocation Type: Multi-year Fund
• Review Section: Medium-sized Section 58:Society medicine, nursing, and related fields
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 本田 育美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30273204)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中山 晋介 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30192230) ; 吉田 和枝 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 教授 (40364301) ; 前川 厚子 四日市看護医療大学, 地域研究機構 看護医療交流センター, 研究員 (20314023)
• Project Period (FY): 2022-06-30 – 2025-03-31
• Project Status: Granted (Fiscal Year 2023)
• Budget Amount: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000); Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000); Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000); Fiscal Year 2022: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
• Keywords: 看護学 / 排便 / 腸電位 / ポータブルエコー / 生体信号解析 / 排便予測 / 排便機能

Outline of Research at the Start

本研究は、超高齢社会のわが国の重要課題の１つである“排泄ケア”の変革につながる“排泄支援システム”の構築を目指し、「腸の活動電位」の可視化と排便予測となる信号の弁別化に取り組む。
軽量小型腸電位計を用いて、超音波画像解析装置（エコー）での糞便状態の評価とともに、就寝時から連続測定することで排便に向けた大腸運動の推移を示し、さらに生活活動刺激による腸の活動変化から排便兆候となる電位パターンを探る。

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、軽量小型腸電位計を用いて、超音波画像解析装置（エコー）での糞便状態の評価とともに、就寝時から連続測定することで排便に向けた大腸運動の推移を示し、さらに生活活動刺激による腸の活動変化から排便兆候となる電位パターンを探ることである。そこで、2023年度では、前年度に検討確認したエコーでの撮影法および腸電位計測法にて、① 糞便形成状況のエコー像の撮影と、② 睡眠から起床時を含む腸電位計測を計画として挙げた。
《腹部エコー撮像による糞便形成状況の確認》　前年度より引き続き、ポータブルエコーを用いて腸内モニタリングとして、健常成人を対象とした腸電位計測前後における左下腹部の超音波画像の収集を実施した。2024年3月末の時点において11名分の画像データを収集した。計測時の目視下においては、エコー像から腸内の糞便の存在有無について、確認可能性あることを得た。これまで収集した画像データと併せ、排便の有無を含めて糞便状況が特定可能か分析を行っていく。
《腸電位パターンの変化の解析と排便兆候の検討》　腸活動電位の解析において、大腸活動電位を探索するために、旧型腸電位計を用いて就寝時を含む24時間腸電位計測を11名に実施した。イベントシートの記載内容と照らし合わせ、計測した腸電位データのパターンについて探索分析を行っていく。
これまでに収集した腸電位データの内、計測中に排便があった21名分のデータについて、周波数解析をもとに排便イベント前からの波形変化について分析した結果、排便イベント前から副交感神経(HF 7.314Hz)成分波において規則性のある変化の存在が確認できた。よって、引き続きデータ収集を行うとともに、イベント（起床、便意、排便・排ガス、飲食 等）時と照らし合わせて収集電位を解析し、排便に関連する大腸活動電位を特定していく。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度では、前年度に検討確認したエコーでの撮影法および腸電位計測法にて、① 糞便形成状況のエコー像の撮影と、② 睡眠から起床時を含む腸電位計測を計画として挙げた。
ポータブルエコーを用いて左下腹部の超音波画像データの収集数を増やすことができ、さらに計測時の目視下において、エコー像から腸内の糞便の存在有無について確認可能性あることを得ることができた。また、次なるステップである24時間腸電位計測も始動でき、年度内には11名分の電位データを得ることができた。今年度、収集したデータは、これまで収集してきたデータとも合わせ、排便イベントと腸電位の変化についての探索的分析にも着手し始めることができた。年度当初に掲げた計画どおりに、おおむね遂行できていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

2023年度に収集したデータをもとに、排便の有無を含めて、糞便状況が特定可能か電位変化との関係について分析を行っていく。睡眠時間帯を加えたイベント（便意、排便・排ガス、飲食 等）時と照らし合わせて収集電位を、周波数解析をもとに排便イベント前からの波形変化について解析し、排便に関連する大腸活動電位を評価していく。2023年度の成果については、学会発表等を行っていく。
また2024年度は、前年度に引き続き健常成人を対象に、就寝時から起床時までの排便完了までの腸電位データ収集を行っていく。特に昨年度収集したデータのプレ解析において、睡眠時起床に向けた身体変化と排便イベント前後での腸蠕動活動の変化で得られた点を中心に解析に着手し、排便に関連する大腸活動電位を特定していく。