Openposeによる末梢静脈点滴時の乳幼児の体位変化測定とその血栓形成への影響
Project/Area Number |
22K19700
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 58:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | Kagoshima Immaculate Heart University |
Principal Investigator |
宮村 裕子 鹿児島純心女子大学, 看護栄養学部, 助教 (50848489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉川 雅章 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (80227264)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | Openpose / CFD / 血栓生成機構 / 静脈カテーテル / 乳幼児の体動 |
Outline of Research at the Start |
乳幼児は発達段階から理解力が低く,末梢静脈点滴中も非点滴時と同様に体動が激しい.ベッド上においても両手を使い自由に遊ぶ等して過ごしている.また,成人に比べて血管も細く,点滴トラブルも多いため,乳幼児の特徴を踏まえて点滴管理を行えなければ,血管外漏出や血栓形成による重篤な点滴トラブルにつながる可能性がある.本研究においては,乳幼児からの体動動画からの深層学習のソフトウエアを用いて割り出した静脈と留置後のカテーテルの相対的な位置や角度を調べ,血栓閉塞原因究明として,これまでの臨床看護ではされてないアプローチであり,カテーテルと静脈の相対的位置変化の要因から血栓生成プロセスを調べる.
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Outline of Annual Research Achievements |
乳幼児は発達段階から理解力が低く,末梢静脈点滴中も非点滴時と同様に体動が激しい.ベッド上においても両手を使い自由に遊ぶ等して過ごしている.また,血管も細く,点滴トラブルも多いため,乳幼児の特徴を踏まえて点滴管理を行えなければ,重篤なトラブルにつながる可能性がある.留置カテーテルと静脈の相対的位置変化の要因から血栓生成プロセスを調べ,CFDを用いた流れの解析を行った.静脈の血管モデルにカテーテルが固定されたときの流れを,挿入角度や点滴固定位置,静脈速度や点滴流入の条件を変化させ,速度やせん断度分布,滞留時間などをCFD(Ansys等)で分析した.その結果,設定条件を変更することにより,せん断速度分布や滞留時間など,血栓形成に影響を及ぼすことが示唆された. また,赤色血栓予測の流れの解析からの評価量算出実験で得られた接触応力とCFDの計算で得られた速度,せん断速度,滞留時間を組み合わせて血栓生成を予測し,評価量を求め血栓生成の実験との対比により評価量パラメータについて検討した.乳児の血管静脈モデルを用いることにより,実際の点滴のカテーテル固定では,カテーテル先端が静脈壁との間に過度な接触応力(摩擦応力)を生じることが想定され,穿刺時の穿刺角度と穿刺時の力の時間変化について検討し血栓形成への影響が示唆された.カテーテルの挿入角度が深いほど,血管壁に対するせん断応力が高くなる.そして,カテーテルの挿入深さおよび挿入角度の評価より,乳幼児の動きによるカテーテルの留置位置の変化は,赤色血栓の生成に影響を及ぼす.実際に静脈血管内にカテーテルを挿入・留置する際には,カテーテルの挿入角度を可能な限り小さく・浅く挿入し,カテーテルの壁を静脈壁から遠ざけるよう,水平にした上でカテーテルを固定する必要についても示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により,本来であれば,共同研究機関への移動および,データ分析に必要な施設への移動が必要であった.しかし,研究代表者が所属する機関が,医療関係の資格を取得する学科であり,臨地実習等もあることから,県外への移動および研究者間の往来により,新型コロナウイルス感染症を拡大させる可能性のある行動が制限されたため.
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Strategy for Future Research Activity |
体動動作を含む動画に対して,深層学習によって人体動作解析に基づき,関節部位を推定できるオープンソースプログラムOpenposeを用いて時系列的に解析を行い,各関節部位を座標や角度で表示する.次に,手つきなどの手首の角度や手指の角度を得るために,手首付近の画像を取り出し,その詳細な動作解析を行うことにより,静脈とカテーテルの相対的な位置関係を取得する. R5年度(Ⅰ)一般の乳幼児の体動動画からの動作解析インターネット上で公開されている乳幼児の体動の動画から動作解析を行う.まず,深層学習を用いたプログラムのOpenposeで動画より関節のデータを取得し,次に手つきや上肢の屈曲部位での部位を絞り込んだ動作の解析を行う.この詳細部分の解析により,手指の関節すなわち静脈とカテーテルの位置関係を求める.(Ⅱ)ベッド上での乳幼児の体動の撮影動画からの動作解析,同志社大学の赤ちゃん研究所で乳幼児に対して,体動を撮影し,その撮影動画から(I)と同様に静脈とカテーテルの位置関係を求める.また,研究協力できる乳幼児の状況に応じて,模擬的な点滴チューブをテープ等で貼り付け,同様の解析を行う.(Ⅲ)静脈とカテーテルの相対位置による流れへの影響(宮村・大学院生1名A)R4年度の(Ⅰ)と(Ⅱ)で得られた静脈とカテーテルの相対的位置関係を図4のような解析モデルに適用し,流動解析を行い,速度,せん断速度,滞留時間などの情報を得て,位置関係による流動下の血栓形成への影響を調べる.(Ⅳ)静脈とカテーテルの相対位置による接触力への影響(Ⅲ)と同様に位置関係を解析モデルに適用して構造解析を行い,応力・変形から,位置関係による静脈壁への影響を調べる.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)