Elucidation of signaling mechanism to other organs by small intestinal Na-dependent glucose absorption mechanism
Project/Area Number |
22K19717
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 59:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
林 久由 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (40238118)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 陽イオン選択性 / Na-依存性共輸送 / SGLT-1 / 腸管腔内恒常性 / ナトリウム / SGLT1 |
Outline of Research at the Start |
生活習慣病の原因は、長年の偏った食生活と、ヒト遺伝子のミスマッチに依ることが大きいと推測されている。栄養素を受け入れている腸が、他臓器にどのようなシグナルを送り、さらに食行動を変化させているかは、よく知られていない。本研究では、グルコースを通常多く摂取しない草食動物に、グルコースを摂食させた際に、小腸や生体に何が起こるかを観察することを目的とする。腸のグルコース吸収の新たな役割が解明できれば、栄養学的のみならず、生物学的に新たな概念の提唱に繋がる。
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Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病の原因は、長年の偏った食生活と、ヒト遺伝子のミスマッチに依ることが大きいと推測されている。糖、NaCl摂取量が多いことは生活習慣病の原因であると考えられている。小腸でのグルコース吸収と、それに必要なNaがどのように小腸内で代謝されているかについて検討した。雑食のマウス、さらに変態により食性が変わるオタマジャクシで研究を行った。変態で食性の変化を起こし、消化管の形態変化(短縮)を起こす、オタマジャクシとカエルで腸管管腔内のNa濃度とグルコース吸収機序を調べた。オタマジャクシとカエルでは、グルコースの摂食の機会が異なると考えられるが、いずれでも管腔内のNa濃度は高く維持されていた。また、糖輸送機能を担うSGLT1と上皮細胞間隙に陽イオン選択性を賦与するタイト結合タンパク質の腸管長軸上の発現分布は一致しており、両生類においても細胞間隙を介するNa分泌が重要であることが示唆された。また、クローディン15欠損マウスの主な表現型は小腸の肥大化と小腸管腔内のNa濃度の低下であり、このNa濃度低下のため、Na依存性の栄養素吸収機構は抑制されていると考えられている。しかし小腸肥大化と管腔内のNa濃度の因果関係は明らかにされていない。このため昨年度は、クローディン15欠損マウスを用い検討を行なった。高Na食を長期に摂食させてもクローディン15欠損マウスの腸の肥大化は抑制されなかった。また、管腔内のNa濃度を変化させることはできなった。更に既報とは異なり、クローディン15欠損マウスでのグルコース吸収機構は大きく障害されていないことが示唆された。以上のことより、マウス小腸のNa代謝にはクローディン15が重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オタマジャクシは草食であり、淡水に生息することからNa摂取量は非常に低いが、管腔内Na濃度は約70mMと高濃度に維持されていた。小腸の細胞間隙は陽イオン選択性であること、またNa分泌機序にはクローディン15が関与していることが示唆された。また、マウスを用いた実験では、腸管Na代謝に重要な役割をしているクローディン15を欠損させた遺伝子欠損(cldn15KO)マウスを用いて検討を行なった。cldn15KOマウスの主な表現型は小腸の肥大化と小腸管腔内のNa濃度の低下であり、このNa濃度低下のため、Na依存性の栄養素吸収機構は抑制されていると考えられている。しかしこの小腸肥大化の生理的な意義は明らかにされていない。このため昨年度は、cldn15KOマウスを用い、クローディン15欠損に伴う生体の機能変化を詳細に検討した。既報に反し、cldn15KOマウスでは離乳前に上部小腸の肥大化が観察された。またこの肥大化は高Na食で影響されなかった。離乳後さらに2週間、高Na食で飼育したが、管腔内のNa濃度は野生型マウス、cldn15KOマウスいずれでも、コントロール食と比べ、有意な上昇は観察されなく、小腸の肥大化も抑制はできなかった。以上より小腸管腔内Na濃度低下と上部小腸の肥大化の因果関係は低いことが示唆された。また、種差を検討するためcldn15欠損ラットの作成を始めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
クローディン15欠損マウスは、腸管管腔内のNa恒常性が破綻したモデルマウスである。このマウスのNa依存性栄養素吸収機構は、腸が肥大化することにより補完されており、血液生化学的データなどといった、マクロ的な表現型は正常であることを報告してきている。クローディン15欠損マウスの内臓脂肪の蓄積は、野生型マウスと比較し、顕著に減少していることを見出した。しかしながら、この結果からは、これがマウス特異的な表現型である可能性が否定できない。このため、昨年度より、クローディン15欠損ラットを作製することを始めている。具体的には、最新の研究手法である経卵管ゲノム編集法を用いて行なっている。本年度はこのクローディン15欠損ラットの表現型を確認し、腸管Na代謝と他臓器への影響を検討する。そして、腸管Na代謝が内臓脂肪蓄積に対して、どのように関与しているかを検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)