Stress-relieving effects of acupuncture using salivary components as an indicator
Project/Area Number |
22K19733
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 59:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
森 勝伸 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (70400786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 紀安 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30360514)
CHALECKIS ROMANAS 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40778289)
上田 忠治 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (50294822)
和泉 孝志 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (70232361)
久島 達也 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (80418590)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | ストレス緩和 / 電気鍼治療 / ストレスマーカ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、電気鍼刺激による脳血流に伴うストレス変化を唾液の成分から捉えるため、総体的解析手法を用いて指標となる物質を見出し、鍼治療とストレスとの関係を明らかにする。具体的には、1)鍼刺激前後で変動する脳血流と強い相関を示す唾液成分から指標物質を絞り込む。2)指標物質の発生機構を、脳神経学・生理学・免疫学の知見から幅広く調査し、ストレスとの関係を明らかにする。3)指標物質の濃度を軸に、鍼治療によって得られるストレス緩和の機構を示す。したがって、本研究は鍼治療を含む東洋医学で見出せなかったリラクゼーション効果を、指標物質の定量値から客観的かつ科学的に評価できるようにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ハイスループットな分析手法と統計解析手法を組み合わせ、電気鍼刺激による脳血流に伴って変動する唾液の成分から指標となる物質を見出し、鍼治療とストレス緩和との関係を明らかにすることを目的としている。研究項目として、1)鍼刺激前後で変動する脳血流と強い相関を示す唾液成分から指標物質を絞り込むこと、2)指標物質の発生機構を、脳神経学・生理学・免疫学 の知見から幅広く調査し、ストレスとの関係を明らかにすること、3)指標物質の濃度を軸に、鍼治療によって得られるストレス緩和の機構を示すことを計画している。 今年度は、高知大学での医学倫理審査を2023年3月末に完了し、プレ試験に寒冷昇圧試験(10℃程度の水に両手を一分間つけて、血圧上昇やストレス負荷の度合いを調べる試験)を行い、ストレス前後の唾液中のイオンの濃度変動を調べた。その結果、交感神経の刺激に伴って有意な変動を示すイオンが存在することを明らかにした。さらに、唾液イオン濃度の変動を補正する方法を探索するため、2023年6~8月にオーストラリア・モナッシュ大学にて、タンパク質が多く存在する生体試料の電気化学分析方法を開発し、唾液中の全たんぱく質の分析に応用した(未発表)。 2023年度では、上述の研究成果を取り込んで、ストレスに関与するイオンを抽出のためのプロトコールを確立した。また、その成果の一部は国際学術誌(2024年)に発表された。 このように、ストレスマーカーを探索するプロトコールはほぼ完成しており、最終年度では、これまで実施できなかった電気鍼刺激の試験をプロトコールに従って進め、イオン濃度変動とストレス緩和の関係を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)唾液分析・統計解析:〇唾液輸送に関連するイオンをキャピラリー電気泳動(CE)によって分析できるシステムを構築した。〇冷水刺激(寒冷昇圧試験)前後によるイオン濃度がどのように変化するのかを調べ、有意に変動するイオンの存在を確認した(論文発表済)。〇CEによって定量されたイオン濃度の変動(個人間のイオン濃度差)がもたらす統計的ばらつきを抑えるため、電気化学分析を応用した唾液イオンの濃度補正方法を確立した。〇前年度確立した、唾液の比重補正法と先述の電気化学的濃度補正方法を組み合わせることで、陰イオン及び陽イオンの統計的ばらつきが抑えられ、より的確に統計解析が可能となった(2024年5月学会発表予定)。 (2)ストレス試験:〇電気鍼刺激試験は共同研究先の医学倫理審査委員会の進捗を鑑みて、2023年度は実施しなかった。〇寒冷昇圧試験は、高知大学医学倫理審査の申請内容に従い、複数人のボランティアから唾液中の成分分析を行った。〇統計解析(主成分分析)により、冷水刺激に伴って有意に変動するイオンを見出した。 以上、2年目では、分析方法及びストレス試験、分析、統計解析までのプロトコールが完了し、最終目的である電気鍼刺激によるストレス緩和効果とイオン濃度の変動を調べる研究が残されているだけとなったことから 「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度において確立されたプロトコールに沿って、電気鍼刺激試験を帝京平成大学にて実施し、鍼刺激前後に採取された唾液試料を、高知大、群馬大、名古屋市立大にて、それぞれイオン、タンパク質、比重を測定する。これらの分析結果と鍼刺激試験のときのアンケートを研究代表者が集約し、統計解析(主成分分析など)を行う。これらの分析・解析結果から、電気鍼刺激前後において有意に変動したイオンと変動しなかったイオンに分け、それぞれの生成機構を唾液に共存する物質(アミラーゼ、コルチゾール等)との関係や文献調査によって明らかにする。 これらの工程から絞り込まれたバイオマーカーの濃度変動が、鍼刺激によって増強する脳血流とストレス強度の緩和の関係性を結びつける物質であるか、問診結果 (被験者の訴え、性別、年齢別、運動歴等)やその生理学的挙動等の情報を集約しながら検証する。なお、単独のバイオマーカーの抽出が難しい場合は、複数の物質濃度の濃度比から上述の関係を見出す方法を提案する。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)