Project/Area Number |
22K19743
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 59:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
杉本 昌隆 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (50426491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 太郎 至学館大学, 健康科学部, 教授 (10252305)
多田 敬典 至学館大学, 健康科学部, 教授 (20464993)
細山 徹 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 ジェロサイエンス研究センター, 副部長 (20638803)
渡邉 淳 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 研究推進基盤センター, 室長 (90321843)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 細胞老化 / 運動モデル / COPD / マイオカイン / 呼吸器 / 運動 |
Outline of Research at the Start |
本研究では運動による老化細胞除去機構を解明することにより、老化細胞を標的とした慢性呼吸器疾患の治療モデルへの展開・確立を目標とする。運動療法は様々な慢性疾患に対して効果を持つが、その機序については不明な点が多い。一方近年、細胞老化が多くの慢性疾患を増悪化させることが明らかになってきた。本研究では、運動療法の作用点として細胞老化の関与について、特に筋細胞から分泌されるマイオカインと細胞老化の関連について解析を行う。本研究では培養細胞および動物モデルにおいて細胞老化に影響を及ぼすマイオカインを同定し、さらに肺気腫モデルマウスにおけるマイオカインの効果について調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、昨年度の実験で同定した細胞老化に対して抑制性作用を示すマイオカイン(以下、細胞老化抑制因子)の生体内動態と生理作用に関する実験を行った。分担研究者(至学館大学)において回転ホイール付きケージによる飼育を行い、1日当たり2-5kmの走行を行う自発的運動モデルを樹立した。このシステムを用いて、6ヶ月齢の雌性マウスを8週間飼育した。対照群として、通常ケージ(ホイール無し)で飼育したマウスを使用した。 運動群と対照群の血中細胞老化抑制因子の量をELISA法にて測定したところ、運動群では血中濃度が有意な上昇が認められ、肺組織におけるInk4a、Arf、p21遺伝子などの細胞老化マーカーの発現も減少していた。前脛骨筋およびヒラメ筋にける細胞老化抑制因子mRNA量は、運動群で上昇していたことから、血中濃度の変化はこれら筋組織における遺伝子発現変化が貢献していることが考えられた。また、ヒト細胞を用いて作製した組換え細胞老化抑制因子をマウスに投与したところ、肺組織や脂肪組織において細胞老化マーカーの発現が減少し、さらにsenescence-associated beta galactosidaseの活性にも低下が認められたことから、生体内においても細胞老化を抑制する活性を持つことが示唆された。 ヒトにおいて運動療法は肺気腫を主要病態とする慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対して効果を持つことが示されているが、その作用機序は不明である。我々は、肺組織の細胞老化は、肺気腫病態を増悪化することを報告している。運動によって誘導される細胞老化抑制因子が、肺気腫モデル動物において効果を示すか検討を行い、同因子が気腫病態を緩和することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
代表研究者の異動により、前半部で若干の遅れが生じたが、その後は分担研究者らの協力により概ね計画通り研究を進めることができた。モデル動物を用いた実験により、生理機能に関するデータを多く得ることが出来たので、最終年度は細胞老化を抑制するメカニズムについて調べるとともに、ヒト検体(血液)を収集して解析を行い、呼吸器病態や細胞老化関連疾患、筋量などとの関連を調べる。
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