Project/Area Number |
22K19756
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 59:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
香月 博志 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (40240733)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 脳神経疾患 / リハビリテーション / 核内受容体 / 補充療法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、脳出血の発症前の運動習慣や発症後慢性期のリハビリの効果を増強し、機能回復を促す分子標的として、核内受容体であるNurr1、レチノイン酸受容体、ビタミンD受容体に着目する。マウス脳出血モデルを用いて、運動負荷・リハビリが各受容体やそれらの内因性リガンドおよびその合成酵素等の発現に及ぼす影響を検証する他、各受容体の合成リガンド、内因性リガンドやその前駆体を投与することによって運動負荷・リハビリの回復効果が増強されるかを機能的・組織学的・生化学的に検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らはこれまでに、複数の核内受容体が脳出血治療の新たな分子標的となる可能性を見出した他、脳出血発症前の継続的な運動習慣が発症後の予後を改善することも報告している。本研究では核内受容体のうちNurr1、レチノイン酸受容体 (RAR) およびビタミンD受容体 (VDR) に焦点を当て、脳出血の発症前および発症後慢性期において運動負荷・リハビリが核内受容体シグナル系に及ぼす影響を明らかにするとともに、核内受容体リガンドやその前駆体となる栄養素の投与・補給が運動負荷・リハビリの予後改善効果を増強するか検証する。これらの検討を通じて、最小限の運動負荷で最大の回復効果をもたらす薬物/栄養補充療法の提唱を目指す。今年度は、脳出血病態モデルにおけるNurr1リガンドの末梢性作用、および運動負荷効果の一部を模倣するアドレナリンβ2受容体アゴニストの作用について検討した。1)マウス脳出血モデルに対し、Nurr1リガンドであるアモジアキンあるいはC-DIM12を出血誘発3時間後から24時間間隔で計3回投与すると、出血誘発3日後において脳内へのCD4陽性T細胞およびB細胞の浸潤が著明に抑制されることが判明した。一方で脾臓および血中におけるこれらの細胞集団に対する影響は認められなかった。2)筋肉増強作用が報告されているβ2受容体アゴニストのホルモテロールをマウスに7日間連続投与した後で脳出血を誘発し、継続的な運動習慣を負荷した時と同様の効果が得られるかについて検証した。結果として、今回設定した投与条件下のホルモテロール単独では、脳出血誘発後の運動機能障害の程度に有意な影響を及ぼさなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フローサイトメトリーを用いた解析によって、脳出血後の血球系細胞の全身動態に対するNurr1リガンドの効果を明らかにした。Nurr1は骨格筋などの末梢組織にも発現しているため、Nurr1リガンドを投与した場合に末梢血中や脾臓などでの血球系細胞の動態に影響が及ぶ可能性も考えられたが、結果として脳内に浸潤する特定の細胞群のみが影響を受けることが明らかになった。この解析結果を受けて、他の核内受容体リガンドについても同様の検討を進めていく素地が出来上がったと言える。また今年度は、運動負荷の効果を模倣するアドレナリンβ2受容体アゴニストを単独で用いた場合の効果について検討を行った。筋肉増強作用の報告されている投与条件を用いてホルモテロールを連日投与したが、それ自体ではその後に誘発した脳出血の病態に著明な効果を及ぼさないことが確認された。今後、Nurr1リガンドなどの核内受容体に作用する化合物とβ2受容体アゴニストとの組合せによって相乗的な治療効果が得られるかについて検討する予定であり、そのための予備的知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの知見を踏まえて以下の検討を進める。 1)核内受容体を刺激する化合物を脳出血誘発前の運動負荷または脳出血後慢性期のリハビリ(代替手段としてβ2受容体アゴニストの長期投与も用いる)に合わせて連日投与し、運動機能障害の軽減効果が増強されるか検討する。マウスの運動機能の評価には、標準化された四肢随意運動試験とテープ除去試験を主に用いる。Nurr1については、合成リガンドのアモジアキンとC-DIM12の他、内因性Nurr1リガンドの生合成材料となるジホモ-γ-リノレン酸の効果も検証する。RARについては合成RARα/βアゴニストであるAm80の効果を、VDRについては活性型ビタミンD3の効果を検証する。 2)上記1)において効果のみられた条件下で、機能回復と関連する組織学的・生化学的指標の変動を検証する。組織学的指標については、免疫組織化学により血腫内の神経細胞数 (NeuN)、軸索線維束の構造と輸送機能の回復の程度 (neurofilament-H、APP)、血腫周縁部のグリア細胞の活性化状態 (GFAP、Iba1)、血腫内と周縁部の血管新生の程度 (CD31) を解析する。血腫サイズの経日変化もMRIにより検証する。生化学的指標については、ELISAやPCRにより脳組織内の炎症性/抗炎症性サイトカイン (IL-1β、IL-10等) および血中の細胞増殖因子・血管新生促進因子 (IGF、VEGF等) の量的変化を解析する。
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