Project/Area Number |
22K19784
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 61:Human informatics and related fields
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 文英 筑波大学, システム情報系, 教授 (50512787)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | エージェント |
Outline of Research at the Start |
ワクチン接種などの場面において人が感じる痛みや不安を軽減するためのエージェント技術の活用方法を研究する。幼児に対する母親のソーシャルタッチに着想を得た握り合いデバイスと、AR(拡張現実)提示の組み合わせによって、ユーザの痛み知覚や不安を効果的に軽減するdistraction(気のそらし)を実現する。サイバーフィジカルなエージェントシステムの提案に向けて物理デバイスと仮想空間の双方から有効な設計法を研究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、物理世界と仮想世界の両側面から人の痛みや不安の軽減をはかることに中心的な目標がある。この内で初年度は主に前者(物理世界)の観点からソーシャルタッチに着想を得た握り合いデバイスの開発と有効性検証を進めた。 続く今年度は、主に後者(仮想世界)の観点からの研究を進めた。前年度に確立した実験プロトコルを活用しつつ、VRアバターを用いた全く別の手法としてアバター使用時のプロテウス効果を活かした痛みや不安の軽減手法に関する研究を進めた。予備実験の実施から仮説の精緻化を進め、最終的にはアバター体型(筋肉質/通常)そしてアバター性別を要因と見立てた仮説を構築し、本実験を実施した。実験結果の詳細な分析から、筋肉質アバターの着用が痛み知覚の軽減をもたらすというプロテウス効果の基本仮説を検証し、さらには実験参加者の性別とアバターの性別のマッチング関係がプロテウス効果に与える興味深い知見を得た。これらの開発と実験結果を総括した論文を国際雑誌に投稿し、すでに最初の査読結果が帰ってきて採択に向けて進めている段階にある。また、昨年度に行ったDNIC実験の論文は国際会議に採択され今年度中に発表を行った。 当初計画に無かった新たな展開として、初年度の研究成果が広く報道されたことに伴い各地から新たな応用問題の提案をいただき、中でも吃音抑制に向けた適用を専門家を交えて検討した。吃音の前段階に要因の一つとして緊張があり、本研究の当初計画中で扱ってきた緊張と関わりがあることが予想される。障害科学・吃音分野の専門家や当事者との議論を経て、新たな展開への基礎設計を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように一部の研究成果論文出版がR6年度にずれ込んだため補助事業期間を延長したが、それ以外に当初計画には無かった新たな展開も生まれて研究活動を進めているため、総じておおむね順調に進展しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは先述の主要成果の投稿済論文を着実に採択まで進めて公表する。前回時と同様にプレスリリースを打ち、研究成果が広く報道されることを目指す。このため補助事業期間を延長申請した。 また、こちらも先述の通り、当初計画に無かった新展開として吃音抑制への応用を始めている。補助事業延長期間中であるためこちらは予備的な研究になるが、次なるプロジェクトの立ち上げに向けて専門家・当事者との議論を進め、基礎設計からプロトタイピングまで進めたいと考えている。
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