Project/Area Number |
22K19871
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久米 朋宣 九州大学, 農学研究院, 教授 (30816393)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 樹冠遮断 / 豪雨 / 付着水分 / 樹冠通過雨 / 樹幹流 / 森林地上部 / 記録的豪雨 / 針葉樹林 / 広葉樹林 |
Outline of Research at the Start |
森林による洪水緩和は、土壌や基岩による流出遅延効果を軸に議論されることが多いが、流出遅延効果は地質や地形に依るところが大きく、人為的に制御できる余地が小さい。その一方で、雨で濡れた森林地上部からの蒸発(樹冠遮断)に起因する洪水のピーク流量を減少させる効果は、樹木の地上部で発揮されるものであり、人為で制御できる余地があるかもしれない。本研究では、1日300mmを超えるような超大雨が数年間隔で起きる九州南部の山岳森林地帯にある九州大学宮崎演習林内において、森林地上部が持つ洪水緩和機能を、豪雨時に特化して明らかにし、洪水緩和に資する森林地上部構造の在り様を提案することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1日300mmを超えるような超大雨が数年間隔で起きる九州南部の山岳森林地帯において、森林地上部が持つ洪水緩和機能を、豪雨時に特化して明らかにし、洪水の緩和に資する森林地上部構造を提案することを目的とする。その目的のために、宮崎県椎葉村にある九州大学宮崎演習林内のスギ人工林およびブナが優先する天然林において、500 mm/dayの豪雨を想定した大型の遮断城発量計測システムを構築し、線状降水帯や台風に起因する豪雨時の遮断蒸発量を計測することで、豪雨時の遮断蒸発のメカニズムを明らかにする。本年度は、昨年度の台風14号による林道被害の復旧が遅れ、現地へのアクセス状況がよくなかったため、宮崎演習林での測定器設置は延期した。その一方で、福岡演習林内の大雨を対象に降水観測およびデータの解析を行った。降水イベント毎の雨滴衝撃エネルギーを推定し、樹木枝の空間構造が林内雨および雨滴衝撃エネルギーに影響を与えることを明らかにした。また、樹冠遮断過程において重要なパラメーターである、樹冠及び樹体の付着水分量に関する文献のサーベイを行い、付着水分量の測定方法を検討し、また付着水分量の影響を与える因子の抽出を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
宮崎演習林に台風が来襲し、斜面崩壊などにより林道が不通となった。その一方で、樹冠遮断過程において重要なパラメーターである、樹冠及び樹体の付着水分量に関する文献のサーベイを開始する、福岡演習林において林内雨の観測およびデータ解析を行う等、宮崎演習林における遅れを補完するための研究も開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、豪雨に対応した樹冠通過雨と樹幹流集水装置を検討しそれらの作成を行う。宮崎演習林内の森林を対象に、樹冠通過雨と樹幹流量計測装置をそれぞれ設置し豪雨を待つ。椎葉村のアメダス雨量データ(直近30年)によれば、毎年100mm/day以上の大雨が降っており、向こう3年間に300mm/day以上の雨が1回生じる確率は37%、500 mm/day相当の雨でも9%あり、研究実施期間内に豪雨が発生する可能性は十分ある。また、樹冠及び樹体の付着水分量に関する文献の収集を続ける。また、バックアップとして、福岡演習林内での計測を継続し、データ解析も行う。
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