Photochemical internalization of mRNAs
Project/Area Number |
22K19895
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大槻 高史 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (80321735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
位高 啓史 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60292926)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | mRNA / PCI / 光増感剤 / 光制御 / ゲノム編集 / キャリア |
Outline of Research at the Start |
生体内で極めて不安定なmRNAを医薬として利用するために、高い細胞質内送達能と標的部位特異性を兼ね備えるmRNAデリバリー法が必要である。本研究では、PCIに基づくmRNAデリバリー法を、様々なキャリア・光増感剤を用いた系統的比較のうえで検討し、最善な方法を見出す。その際、独自の光増感剤搭載型キャリアを創りmRNAデリバリーを検討するとともに、汎用的核酸キャリアと光増感剤を組み合わせた方法を検討する。さらに、この方法を、光照射領域特異的なゲノム編集や皮膚疾患治療に応用可能であることを示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
mRNAは、遺伝子治療と比べてゲノムへの挿入変異リスクもなく、原理的にどのようなタンパク質でも産生可能であるため、疾患治療に向けて広範な応用の可能性がある。しかしながら、mRNAは生体内での安定性が極めて低く、標的特異的デリバリーが困難である。標的特異的医薬デリバリー戦略の1つに光でターゲティングする方法が挙げられ、その原理としては、薬剤キャリアと光増感剤を用いたphotochemical internalization(PCI)が有力だと考えられる。PCIは、エンドサイトーシスで細胞内に取り込まれてエンドソーム内蓄積する物質を、エンドソーム蓄積性の光増感剤を併用して、光依存的にエンドソームから脱出させ、細胞質内に導入する方法である。本研究では、(1) PCI用の光増感剤と様々な核酸キャリアを組み合わせて、光依存的なmRNAデリバリーを検討した。また、(2) ペプチド基材を用いた光増感剤搭載型の独自キャリアについても試作検討を行い、mRNA運搬が可能なものが見出された。(1)においては興味深いことに、同じ光増感剤を用いても、キャリアによって大きく結果が異なり、(a)光なしでもある程度のmRNA導入が起こるが、光照射時に導入の促進が全く起こらない、(b)光を照射してもしなくてもmRNA導入がほとんど起こらない、(c)光なしではmRNA導入が起こらないが、光照射すると高効率に導入が起こる、などの違いがあった。つまり、(c)により光照射した細胞に特異的な導入に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の2年間の計画のうち半分程度(初年度分程度)が進捗した。具体的には、(1) 汎用キャリア+光増感剤によるPCI、および、(2) 光増感剤搭載型キャリアによるPCI、の2通りの方法によるmRNAの導入法の検討を行い、光照射した細胞に特異的なmRNA導入が可能になった。そのため、おおむね順調、と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) ゲノム編集:遺伝子治療にCRISPR-Cas9系ゲノム編集技術を適用する場合、必要因子のDNAを用いるとゲノム組込みのリスクがあるが、RNAを用いればそのリスクは回避できる。さらに、光で標的特異的にゲノム編集ができれば治療応用のうえで有望である。そこで、上記キャリアを 用いて、培養細胞に対してCas9-mRNAとsgRNAの同時導入を行い、PCIに基づく遺伝子編集ができることを証明する。 (2) mRNA医薬としての可能性をin vivo実験で証明:皮下および皮内の標的細胞へのターゲティングを検証する。対象として、ワクチンの標的となる皮内ランゲルハンス細胞、脱毛症治療の標的となる毛根細胞に注目する。動物皮膚を剃毛し、通常のシリンジ針またはマイクロニードルを用いてキャリア・mRNA複合体を投与し、光照射を行う。mRNAはGFPまたはLuciferaseをコードしたものを用い、光照射特異的なタンパク質発現を実体蛍光顕微鏡および組織学的に観察する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)