Control of automaticity and cell differentiation via mechanical communication between cultivated cardiac tissues
Project/Area Number |
22K19914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中野 健 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (30292642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩司 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70536565)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 心筋細胞 / スフェロイド / 拍動 / 接触 / 電気的通信 / 力学的通信 / 自動能制御 / 分化促進 / iPS細胞 / 拍動エネルギー |
Outline of Research at the Start |
心筋細胞の拍動の同期は、細胞間の電気的通信により生じることが知られている。しかし、申請者の過去の研究成果によると、細胞間および組織間の力学的通信もまた重要であることが予想される。そこで、本研究では、培養心筋組織間の力学的接触状態を厳密に規定可能なバイオリアクタを開発し、「心筋組織間の力学的通信が拍動状態の重要な決定因子である」という仮説を直接的に立証するとともに、心筋組織間の同期拍動を誘起する力学的接触条件を把握する。同条件を参考に定めた力学的接触条件下で心筋組織を培養し、それらの自動能に及ぼす力学的通信の影響を探索的に調査して、細胞エネルギー代謝の高効率化と細胞分化促進への指針を得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
心筋細胞の拍動の同期は、細胞間の「電気的通信」により生じることが知られている。しかし、申請者の過去の研究成果によると、細胞間および組織間の「力学的通信」もまた重要であることが予想される。そこで、本研究では、培養心筋組織間の力学的接触状態を厳密に規定可能なバイオリアクタを開発し、「心筋組織間の力学的通信が拍動状態の重要な決定因子である」という仮説を直接的に立証するとともに、心筋組織間の同期拍動を誘起する力学的接触条件を把握する。同条件を参考に定めた力学的接触条件下で心筋組織を培養し、培養した心筋組織の自動能に及ぼす力学的通信の影響を探索的に調査して、細胞エネルギー代謝の高効率化ならびに細胞分化の促進を目指す技術応用展開への指針を得る。
本年度は力学的接触変化に伴う電気的通信と力学的通信の関係性を把握するために、以下の二つの実験を遂行した。まず、ヒトiPS細胞由来心筋スフェロイドの拍動力および細胞外電位変化を同時計測可能な装置を作製し、単一スフェロイドの変形状態をパラメータとして、活動電位と拍動力の関係および活動電位の立ち上がりと拍動力発生までの遅延時間を評価するなど、スフェロイドが有する電気―機械的拍動特性に関する基礎データを取得した。次に、Ca2+蛍光プローブであるFluo 4-AMによって心筋スフェロイドの細胞内Ca2+動態を可視化し、二つのスフェロイド間接触を変化させることで生じるイオン動態変化と同期拍動の関係を検討した。その結果、単一スフェロイドにおいては、平板圧縮による変形が増加するに伴い、活動電位の立ち上がり時間や、拍動力発生までの遅延時間が短くなる傾向を示した。また、二つの心筋スフェロイドの力学的接触量が増加すると、スフェロイド間のCa2+濃度変化における周期、位相および振幅が近づく傾向を示すなど、力学的接触状態の変化に伴う心筋組織間の電気-機械的特性の基礎的知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、ヒトiPS細胞由来心筋スフェロイドが有する電気-機械的拍動特性に関する知見を得ることを目的としており、拍動力および細胞外電位変化を同時計測可能な装置の作製を行った。また、二つの心筋スフェロイドの力学的接触状態を変化させ、スフェロイド間のCa2+動態変化を解析可能なバイオリアクタのプロトタイプも開発した。現在までに、単一スフェロイドの活動電位および拍動力の時系列信号の取得・解析には予定通り成功しており、拍動する二つのスフェロイド間における接触量とCa2+濃度変化の信号解析も遂行した。二つのスフェロイド接触下における活動電位と拍動力に関する電気―機械的通信に関する検討は2023年度以降に実施する予定である。また、電位計測プローブ先端の平坦度や接触角度が拍動状態に影響を及ぼす可能性が示唆されたため、新たな作製方法を含め検討予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は拍動力と活動電位を各スフェロイドで計測しつつ、二つのスフェロイドを接触させることによる相互作用の解析を中心に研究を実施する。そのためには、各スフェロイドの変形量やヤング率を始めとした材料・構造特性を同定することが求められ、接触に伴う物性変化も念頭に置いた解析を予定している。また、接触に伴う電気-機械的通信の変化が細胞分化に及ぼす影響を検討するために、プロトタイプとして2022年度に開発したバイオリアクタの改良およびアデノ随伴ウイルスベクター等を用いてCa2+動態を長期観察可能な系の構築に着手する。更に、分化段階の異なる心筋スフェロイドの接触量を制御し、接触量変化がスフェロイド内の細胞分化に及ぼす影響を免疫染色やリアルタイムPCR等を介して、組織学的かつ定量的に評価することを予定している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)