複数組織の異種界面接合の科学的理解と運動器モデルの生体外構築
Project/Area Number |
22K19918
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松崎 典弥 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (00419467)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 浩 弘前大学, 医学研究科, 教授 (20274748)
下村 和範 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (40755998)
宮川 繁 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70544237)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
|
Keywords | 異種界面 / 複合組織 / 運動器 / 組織工学 / バイオプリント |
Outline of Research at the Start |
本研究では、大別して「TIP法による運動器モデルの構築」、「生体運動器との比較による界面接合解析と科学的理解」、「ナノ薄膜コーティングによる組織界面接合の促進」、「運動器モデルの機能評価」の研究に取り組む。本研究で異種組織の界面接合を学術的に体系化することで、臓器や器官構築の新しい原理や学理の解明だけでなく、生体外構築のための技術開発への貢献が期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
臓器・器官は複数組織の集合体であり、異種類の組織が界面で接合し、全体として機能を発現している。運動器は、筋や腱、血管、脂肪、間接、骨などの集合体であり、骨や軟骨、筋、腱など、各組織の構築と機能はこれまで報告されてきたが、これらを異種界面で接合し、機能する運動器として構築した研究は少なく、骨-筋、骨-腱など報告例はわずかしかない。申請者は、人工腱統合バイオプリント法を考案した。これにより、様々なファイバー組織を人工腱に結合することで異種組織を安定に接合することが可能になる。本年度は以下の研究を実施した。 「TIP法による運動器モデルの構築」:本年度は、運動器モデルとして、筋、脂肪ファーバーが、腱に固定された「筋-脂肪-腱」の構築に取り組んだ。運動器モデルの構築は、組織学的評価や蛍光免疫染色による共焦点レーザー顕微鏡観察、走査型・透過型電子顕微鏡観察、引張弾性率評価などにより多角的に解析した。筋ファイバーの分化誘導中に一部のファイバーの脱離が起こる課題があったが、ファイバーの太さを制御することで解決することができた。以上より、筋肉-脂肪-腱組織の構築を確認した。 「ナノ薄膜コーティングによる組織界面接合の促進」:運動器モデルの組織接合を促進するため、組織表面を交互積層法によりECMナノ薄膜でコーティングした。筋と脂肪ファイバーの接合界面はラミニン-IV型コラーゲンの基底膜ナノ薄膜でコーティングした。薄膜形成は細胞毒性を示さず、1週間程度界面接合を維持できることが共焦点レーザー顕微鏡観察により確認された。また、より長期的な接合界面の維持を目的として様々なナノ薄膜を検討した結果、ある組み合わせのナノ薄膜で数週間以上界面構造を維持できることを見出した。 以上より、本年度は予定通り研究を進めることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の進捗状況を以下にまとめる。 「TIP法による運動器モデルの構築」:本年度は、運動器モデルとして、筋、脂肪ファーバーが、腱に固定された「筋-脂肪-腱」の構築に取り組んだ。サテライト細胞の細胞数とマトリックスであるフィブリノーゲンの濃度、プリントノズルサイズの最適化を行うことで、以前からの課題であった分化誘導中のファイバーの脱離や分離を回避可能であり、ぼ100%の収率で分化誘導された筋ファイバーを回収できた。脂肪ファイバーも同様に条件を最適化することで安定に構築できた。現在、「筋‐脂肪‐腱」の詳細な構造解析を多角的かつ網羅的に進行中である。以上より、本研究項目は予定通り進行できている。
「ナノ薄膜コーティングによる組織界面接合の促進」:筋ファイバーと腱の組織間接合を促進するため、生体で観察される基底膜成分であるラミニンとIV型コラーゲンのナノ薄膜をファイバー表面に形成した。これまでの細胞表面へのコーティングに関する知見を基に濃度や浸漬時間を最適化することで数nm~数十nmの薄膜を形成できた。薄膜コーティングが筋芽細胞や脂肪細胞に毒性を示さず、両ファイバーを接合後、1週間程度は界面を維持しながら接合できることが確認された。薄膜コーティング無しの場合は、両細胞が相互に浸潤して界面構造が乱れ、各ファイバーの維持が困難であった。また、ある組み合わせのナノ薄膜ではさらに数週間以上界面構造を維持できることを見出した。以上より、本研究項目は予定以上に研究を進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、「生体運動器との比較による界面接合解析と科学的理解」、「運動器モデルの機能評価」の研究に取り組む予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(22 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Michiya Matsusaki2022
Author(s)
Development of Blood-Brain Barrier Networks With Open Structures for Screening Assays of Receptor-Mediated Transport
Organizer
7th Int’l Conference on Tissue Engineering in conjugation with the 5th Int’l Conference on Regenerative Biomedical Materials
Related Report
Int'l Joint Research / Invited
-
-
-
-
-
-
-
-
-