Project/Area Number |
22K19947
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
西口 昭広 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主任研究員 (10784944)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | ポリアミン / 免疫制御 / 炎症性疾患 / ナノ粒子 |
Outline of Research at the Start |
炎症性腸疾患は、腸管免疫の異常亢進によって下痢や血便を引き起こす難治性の自己免疫疾患であるが、既存の薬物療法は治療効果が不十分であり、全身性の副作用が問題である。本研究では、粘膜・免疫細胞・腸内細菌叢・神経が織りなす腸管微小環境ネットワークを制御するポリアミンナノ粒子を開発し、炎症性腸疾患治療へ応用する。ポリアミンをナノ粒子化することで、酵素耐性および大腸集積性を向上させ、原因物質である酸化ストレスを除去し、炎症性疾患の治癒に向けた基盤技術を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度においては、細胞適合性と抗炎症能を併せ持つポリアミンナノ粒子の探索とその機能評価を実施した。種々のポリアミンとヒアルロン酸、縮合剤、貧溶媒を用いて、自己集合と架橋反応を同時に進行させナノ粒子を調製し、ナノ粒子の粒子径やゼータ電位、活性酸素種スカベンジング能を定量した。また、ポリアミンナノ粒子の免疫機能への影響を明らかにするために、リポ多糖によって炎症状態にしたマウスマクロファージに対する抗炎症効果について、定量ポリメラーゼ連鎖反応法や酵素結合免疫吸着法を用いて評価した。これらの検討よりポリアミンナノ粒子の最適化を行い、マウス潰瘍性大腸炎モデルを用いて、治療効果の評価を進めた。開発したナノ粒子は炎症部位に集積し、抗炎症効果によって治療効果を改善することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度においては、ポリアミンナノ粒子の合成条件の確立と最適化を進めることができ、期待する機能を有する材料の開発が進んでおり、また細胞培養試験およびマウス潰瘍性大腸炎モデルにおいても細胞適合性と抗炎症性を有するナノ粒子の開発が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、開発したポリアミンナノ粒子の作用機序を明らかにすることを目的として、マウス潰瘍性大腸炎モデルにおけるターゲティング機能と抗炎症機能についての実験を進める。蛍光ラベル化した粒子を用いてin vivo蛍光イメージングシステムによって粒子の体内動態を解析し、潰瘍性大腸炎モデルマウスの体重変化や大腸の長さ、組織学的評価、炎症性サイトカイン測定(IL-1β)を進め、腸内細菌叢の正常化やバリア機能の回復、炎症反応の抑制、神経ダメージの抑制を誘導するナノ粒子を探索し、分子機序を理解する。
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