Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
近代を通して構築された私たちの道徳体系は、「人間の道徳的特権性」を前提とする人間中心的な特徴を持つ。しかし現代は、急速な科学技術の発展に伴い、近代では想定されなかった様々な倫理的問題に直面しており、既存の道徳体系を再検討する必要が生じている。この課題に精力的に取り組んできた生命倫理学と動物倫理学のニ領域は、「人間の道徳的特権性」の是非に焦点を当てた議論を展開しているが、それぞれの領域に細分化されており、局所的な考察にとどまっている。そこで本研究では、両者の議論を領域横断的に体系化することで、現代における人間中心的な道徳体系の問題を包括的に検討する。