周辺部におけるスペイン語呼びかけ表現に関する語用論的研究
Project/Area Number |
22K20027
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0102:Literature, linguistics, and related fields
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野村 明衣 九州大学, 言語文化研究院, 助教 (00962854)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | スペイン語 / 談話標識 / 呼びかけ表現 / 文法化 / 語用論 / 脱意味化 / 脱範疇化 / 注意喚起 / 語用論的機能 / 周辺部 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、スペイン語において発話態度の表明として周辺部に現れ、円滑なコミュニケーションの実現に有用な言語形式である呼びかけ表現(apelativo)の位置による機能と語彙的意味との関連性を解明し、呼びかけ表現全体の体系化を目指す。主に動詞から派生した命令形式(oye, mira, escucha等)と疑問形式(sabes, entiendes, ves等)について、発話頭と発話末の使用割合と語用論的機能を記述する。また、各形式の脱意味化の度合いを明らかにし、間主観化の観点から聞き手への働きかけの機能を考察する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は動詞の命令形式oye, mira, escuchaの語用論的機能とその派生的用法、その教育法について、また疑問形式sabes, entiendes, comprendesの語用論的機能を考察し以下の成果を上げた。 前年度に分析した命令形式の語彙的意味による機能差に関して論文を執筆し、メキシコ国立自治大学の研究雑誌 Estudios de Linguistica Aplicadaに投稿、2024年度7月に出版予定である。また、その待遇表現であるoiga, mire, escucheの文法化の程度を分析した。命令形式の呼びかけ表現の文法化の特徴に、複数の聞き手や敬称表現を用いる聞き手(usted)に対して二人称単数形を用いるというものがある。3形式がどの程度許容されるかを母語話者にアンケート調査を行い、その結果を6月にスペイン・カディス大学で開催されたスペイン語・ポルトガル語圏の待遇表現に関する国際学会(IV CFFT)で発表した。その一部には、日本語の「聞き手めあて性」を通してhombreの機能を解明した野村(2018)の研究成果を援用した考察を含んでいる。さらに、日本人のスペイン語学習者へのoye, miraの教授法の提案と、九州大学の学生を対象に実施した実践報告を、8月にスペイン・ブルゴス大学で開催された、スペイン語教育では最大規模の学会ASELEで発表し、その内容をまとめた論文が同学会誌に掲載予定である。 疑問形式についてはsabes, entiendes, comprendesの言い換え調査の結果をフランス語学会談話会「フランス語・スペイン語・日本語からみる間投詞のヴァリエーション」で発表、また先行研究で詳述されていないentiendes, comprendesの語用論的機能の差を両者がとる目的語と母語話者へのアンケート調査を通して考察し、現在査読中である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)