Project/Area Number |
22K20050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0103:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | University of Miyazaki (2023) Kobe University (2022) |
Principal Investigator |
矢野 涼子 宮崎大学, 国際連携機構, 講師 (90968405)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | アメリカ領サモア / アメリカン・マウ / 反統治運動 / アメリカ / 太平洋諸島史 / 帝国史 |
Outline of Research at the Start |
現在の太平洋諸島史には、①西サモア以外の地域における現地住民の多様性と海外地域との関係が明らかになっていない、②支配/被支配の関係にとどまらない島嶼間の関係が捉えられていない、③独立に至っていない地域の事例が描かれていない、という3つの課題が存在する。 そこで、本研究ではアメリカ領サモアにおける現地住民の多様性と海外地域との関係を、1920年代に断続的に起きた反統治運動であるアメリカン・マウの分析を通じて明らかにする。 西サモアの反統治運動と比較することにより、太平洋諸島の現地住民の多様性、海外地域との関係の把握をより深化させると同時に、太平洋諸島植民地における独立の成否要因を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在の太平洋諸島史において指摘されている、①西サモア以外の地域における現地住民の多様性と海外地域との関係が明らかになっていない、②支配/被支配の関係にとどまらない島嶼間の関係が捉えられていない、③独立に至っていない地域の事例が描かれていないという3つの課題を解決するために、本研究では、独立に至っていない地域の1つである、アメリカ領サモアにおける現地住民の多様性と海外地域との関係を、1920年代に断続的に起きた反統治運動である、アメリカン・マウの分析を通じて明らかにすることを試みている。 2023年度は、2つの作業を行った。1つ目は、アメリカン・マウに参加した人々の多様性とその不満、アメリカン・マウの再発/沈静化の特徴を把握することである。アメリカン・マウに参加した人々には、アファカシと呼ばれる「外国人」、現地の首長、貿易商人など様々な立場の人々がいた。アファカシはヨーロッパ人より低い身分と定められることに、現地の首長は税金のあり方とアメリカ統治下における不明瞭な任用、統治について、貿易商人は土地の所有と管理について、運動を通じて訴えを行っていた。また、アメリカがアメリカ領サモアの政治について提案や改善を行った後、アメリカが本質を伴わない提案をした場合、アメリカ領サモアの人々の提案や質問に対し明瞭な回答がなかった場合に運動が起こる傾向にあることが明らかになった。さらには、アメリカがアメリカ領サモアの現地住民の要求にこたえた場合と大きな改革の直後には、アメリカン・マウが沈静化する傾向にあることが分かった。 2つ目は、本研究を進める上で比較対象となる、西サモアのマウ運動(反統治運動)について「2つのマウ運動の比較考察――ドイツ植民地期とニュージーランド統治期サモアにおける運動の違い」を執筆し、『太平洋諸島研究』に投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度3月から2023年度4月にかけ、研究代表者は研究機関の移動を行った。また、2023年3月から2024年度4月にも研究機関の移動が生じた。年度の初めと終わりに、移動準備と研究環境の変化への対応の必要があったこと、また海外の公文書館において史料調査を行うにあたり、COVID-19の影響から当初の予定どおり調査を行うことができなかったことが遅れの原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初2年計画であった本研究を3年計画に延長し、引き続き、研究を行う。2024年度には、史料調査を行い、これまでに看過されてきた運動の参加者や彼らの不満を明らかにする。また、西サモアのマウ運動との比較を行い、反統治運動により西サモアが独立に至った要因とアメリカン・マウが鎮圧という結果に終わり、アメリカ領として残り続けている要因を明らかにする。
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