「応答しすぎない倫理」に関する人類学的研究―モザンビーク島の近隣関係を事例に
Project/Area Number |
22K20075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0104:Geography, cultural anthropology, folklore, and related fields
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
松井 梓 国立民族学博物館, グローバル地域研究国立民族学博物館拠点, 特任助教 (90966342)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | モザンビーク島 / ゴシップ / 倫理 / 近所づきあい / 文化人類学 / モザンビーク |
Outline of Research at the Start |
本研究はモザンビーク島の居住地区で相互に緊密に関わりあう女性たちの近所づきあいを事例とする。他者との共在の倫理の議論では、目の前の相手を真剣に受け止め、不断に応答し関係の調整をする実践が重視されてきた。他方で本研究の目的は、他者に真剣に応答しすぎずに受け流す態度を肯定し、それでもなお立ち上がる他者への倫理を提示することである。具体的には、調査地での(1)食の授受、(2)ゴシップの応酬の場面で、女性たちがいかに相手に応答しすぎずに儀礼的に関わりあうのか、それがいかに相手の存在を許容することに繋がるのかを事例から示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、まず、10~12月にゴシップおよび倫理にかんする人類学的研究など、関連する文献の渉猟をおこない、先行の議論を整理した。11月には、国立民族学博物館 研究懇談会にて、当該テーマに関わる発表をおこない、参加した研究者からコメントや助言をいただいた。2~3月には、合計約50日間の現地調査を実施した。後述のとおり滞在先家族の状況が大きく変化していたため、現状の隣人関係の把握に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19感染拡大の影響で渡航ができなかった3年間で滞在先家族を取り巻く状況が大きく変化していた。特に、1年前のサイクロンにより自宅が倒壊し転居を余儀なくされており、以前の隣人関係は維持されていなかった。また、自宅再建のために長時間労働に従事するようになり、近所づきあいや友人とのつきあいに割かれる時間が減っていた。このため、近隣や友人とのつきあいを観察できる機会が限定されていた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、得られたデータの整理、および文献の渉猟を継続する。7~10月にはふたたび現地調査を実施する予定である。帰国後にデータを整理したのち、論文の執筆・投稿をおこなう。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)