An ethnographical study of pastoral attitudes in the transformation of the intimate space in contemporary Mongolia
Project/Area Number |
22K20077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0104:Geography, cultural anthropology, folklore, and related fields
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
寺尾 萌 鹿児島大学, 法文学部, 特任研究員 (70965269)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 親密圏 / 歓待 / モンゴル / ゲル / 文化人類学 / 家屋 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、伝統的な移動式住居であるゲルに由来する外部環境に対する家屋の脆弱性や開放性と、それに相同する他者に対する受容的な身構えが、生活様式の現代化の中でいかに変容/持続しているのかを実地調査から明らかにするものである。また、近代家族概念の拡張を含意する「親密圏」概念を導入し、多様な住居様式のなかでの親密性の現れ方の差異を比較検討すことで、人間を伝統的なコスモロジーやヒエラルヒーが埋め込まれた家屋の構造に従属する存在と捉えるのでもなく、そうした秩序の外部における生活空間の創造にノマド性を見出すのでもない、新たな立場から現代モンゴルにおける牧畜民的身構えを定位することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2024年7月にモンゴル国オブス県での現地調査を実施し、草原で暮らす牧民世帯における居住空間利用と訪問者の迎え入れの実践を中心に、民族誌的資料を収集した。また、ウランバートルにおいても、集合住宅で暮らす世帯の居住空間利用と、居候の迎え入れをめぐる調査を行った。 草原での調査においては、訪問者と家人との関係性に応じた、訪問と迎え入れにおける家内空間利用の多様性を確認することができた。また、訪問の時間帯に応じた、訪問者の立ち居振る舞いの変化も確認することができた。 ウランバートルでの調査においては、集合住宅に複数世帯の成員で居住しつつ、異なる世帯の構成員同士が相互に配慮し合い、住み分けを行っているなど、プライベートな空間の伸縮を確認することができた。 同年9月には、雲ノ平サイエンス・ラボにて牧畜民の宿営地移動とゲル利用に関するアウトリーチ活動を行うとともに、上記調査の報告と、他の研究者との意見交換を行った。 2024年1月には、「PPIAウィンター・ミーティングinCNEAS」に参加し、本研究のアイディアを紹介するとともに、モンゴルをフィールドとする人類学者との意見交換を行った。 同年3月には、「現代アジア・オセアニアにおける他者への想像力と歓待の実践知に関する人類学的研究」(研究代表者・河野正治)主催の研究会を鹿児島大学にて開催し、家、コミュニティ、国家などさまざまなスケールで行われている訪問や他者の迎え入れに関して、参加者と意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度に実施する予定だった調査は、対象者の生活拠点の移動等の理由で調整が必要になり、一部未実施である。具体的には、牧畜地域の中心機能を有する定住地に暮らす世帯での滞在調査が不十分であったため、次年度にさらなる補足調査を実施する予定である。 調査の遅れにより、研究成果発表も予定より遅れている。予定していた研究成果発表は、次年度の期間中に行う計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は、7月に1カ月程度の調査を行い、下記に牧畜地域定住地において現地調査を行い、草原における牧畜民のゲル利用との差異や連続性を析出する計画である。 8月以降は調査結果の精査と分析を行い、年度内に論文を執筆・投稿する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)