ファッションデザインの保護の現状と在り方―法制度間の役割分担の観点から―
Project/Area Number |
22K20086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0105:Law and related fields
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山本 真祐子 群馬大学, 情報学部, 講師 (90965980)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ファッションデザイン / 衣服デザイン / 知的財産法 / 不正競争防止法 / 著作権法 / 商標法 / ファッション |
Outline of Research at the Start |
ファッションデザインは、季節性・流行性故にライフサイクルが短いことが多いため、デザイン保護の王道である意匠権(出願・登録が必要)による保護が馴染みにくい。他方、非登録型の保護であれば一律にその保護に適しているわけではなく、個々のファッションデザインの特質に照らし、複数のデザイン保護法制によるパッチワーク的な保護をなすことが肝要となる。 そこで、本研究では、非登録型のデザイン保護法制によるファッションデザイン保護の現状と在り方を、制度横断的かつ具体的に検討することとし、その際にはファッション産業が盛んな諸外国の法制度(EU法、アメリカ法、並びにイングランド及びウェイルズ法)との比較検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
ファッションデザインのうち、出所識別力を備えるに至ったデザインを後追いで保護し得る不正競争防止法2条1項1号・2号の周知・著名表示の使用規制による保護について、日本において重要な判決が出されたため、その検討を行った。すなわち、女性用ハイヒールの靴底に付された色彩の保護が問題となった、東京地裁令和4年3月11日判時2523号103頁[ルブタンレッドソール一審]、知財高判令和4.12.26令4(ネ)10051[同二審]を中心とする検討を行い、色彩を主たる要素とするファッションデザインの日本における保護の現状についての分析を行った。特に、不正競争防止法2条1項1号・2号によって「商品等表示」としてデザインを保護する場合について、保護を求める対象の特定の在り方といった観点からの検討を中心的に行った。 また、出願・登録なくして3年間に限り自動的にデザイン保護をもたらす不正競争防止法2条1項3号のデッドコピー規制の保護の在り方の検討を行うために、かねてより進めていたイギリスの非登録意匠権の検討を追加的に行った。特に、その保護要件である創作性(originality)についての検討を行った。 さらに、日本法におけるファッションデザイン保護にかかる法制度の役割分担について、有斐閣Onlineロージャーナルで不定期連載されている座談会において、詳細な検討を進めており、既に著作権による保護(諸外国含む)、デッドコピー規制による保護についての議論を終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
イギリス法について追加的検討を行う必要性が生じ、また日本法の新しい重要判決の検討に注力したため、アメリカ法の検討について遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、イギリス法について、非登録意匠権の保護要件について更なる追加的検討を行ったうえで、これまで進めていたイギリスの非登録意匠権の保護範囲・保護期間についての検討も併せて、日本のデッドコピー規制との比較検討を終える予定である。 また、日本におけるファッションデザイン保護の現状について、最新裁判例を踏まえた分析を引き続き行う予定である。特に、既に着手している東京地裁令和4年3月11日判時2523号103頁[ルブタンレッドソール一審]、知財高判令和4.12.26令4(ネ)10051[同二審]を踏まえた検討を本格化させることが中心となる予定である。また、有斐閣Onlineロージャーナルの座談会での議論等を通じて、より広く、日本におけるファッションデザイン保護にかかる法制度の役割分担について、最新の議論を踏まえた検討も進めていく予定である。 さらに、着手が遅れているアメリカ法については、著作権法、ブランド保護法にかかる検討を進め、日本におけるファッションデザイン保護にかかる法制度の役割分担の検討にかかる示唆を得る予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)