Project/Area Number |
22K20107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0106:Political science and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和田 萌 東北大学, 国際文化研究科, 助教 (70965029)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ライシテ / 宗教間対話 / フランス / 対外政策 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、世俗国家を自他共に認めるフランスが、対外政策において、どのように宗教集団との関係構築を試みたのかについて実証的に解明することを目的とする。それにより、世俗国家がテロとの戦いを掲げ対外政策を展開する中で、宗教集団との対話の意義をどう認識していたのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年のフランスでは、「イスラーム過激派」の台頭を念頭に、安全保障・治安維持を重視した政策が行われている。本研究では、この文脈において政府が宗教集団(とりわけイスラーム)との対話の意義をどう認識してきたのかを明らかにすることが目的であった。 前年度は、フランスの対外政策におけるライシテ解釈について検討すべく、主に外務省における宗教事象に対する認識について聞き取り調査を行い、考察を行った。今年度は、前年度に実施した外務省における宗教政策に関連する調査をさらに進めるべく、外務省付宗教担当参事官に関連する史料収集、ヒアリング調査を実施した。 さらに、上記の研究成果を参照点としつつ、政府が主導する宗教間対話に参画する各アクターの活動実態を明らかにすべく、①宗教間・信条間対話に従事する市民団体、②ライシテ省庁間委員会の関係者(内務省のライシテ担当事務関係者)にもヒアリング調査を実施した。その結果、政府内でも宗教間対話の実施方法に関して一枚岩的な立場が存在しないこと、非政府アクターとの連携方法についても多様なアプローチがあることが明らかとなった。 上記の研究結果の一部は、国内外(東京大学、パリ高等研究実習院)の複数の会議で発表を行ったほか、現在論文を執筆中である。今後、論文の質を高めるべく、同時並行的に国際会議で発表することを予定している。なお2月からはパリ高等研究実習院の研究グループとも連携する形で研究を進めている。 上記の主要な課題に加え、安全保障政策の構築におけるアイデンティティの役割を考察し、非伝統的な安全保障政策が発展する過程についても検討を行った。研究成果は、共著として査読付国際学術雑誌に投稿し、2024年3月に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各々のアクターのライシテ解釈およびそれに基づく活動実態を把握し、多面的な宗教間対話のあり方を捉えることができた。 一方、外務省傘下組織であるアンスティテュ・フランセにおける対外広報活動、ならびに国際機関が主導する宗教間対話の実態については引き続き調査が必要であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では今年度を最終年度としていたが、2024年2月からパリの高等研究実習院の研究グループと連携して研究を進められることとなった。したがって、上述の通り実施が不十分であると考えられる調査のほか、課題に関係するより広範囲のアクターに対して調査を行うことが可能と考え、課題期間の延長を申請した。
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