戦間期日本の「帝国政治」と議会主義の限界:責任内閣制と植民地統治問題の相関的検討
Project/Area Number |
22K20123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0106:Political science and related fields
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
十河 和貴 立命館大学, 立命館アジア・日本研究機構, 研究員 (50962643)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 日本帝国政治史 / 責任内閣制 / 政党政治 / 挙国一致内閣 / 国際協調 / 拓務省 / 政党内閣制 / 挙国一致 / 満洲 / 外務省 / 植民地統治 / 内閣審議会 |
Outline of Research at the Start |
単なる形式的な「民主化」の装置としてではなく、国民の意思を正しく体現できる責任ある政党および内閣のあり方とはいかなるものか。本研究は、今日の政治から考えても重要な上記の課題に、戦前日本における政党政治の崩壊をもたらした1930年代前半の、いわゆる挙国一致内閣期における政治構造を分析することで迫ろうとするものである。植民地統括官庁であった拓務省を中軸として分析することで、植民地統治上の矛盾も含めた包括的な政治構造を紐解き、戦前日本の責任ある政治がどのような形で失われていったのかを明らかにしていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、帝国日本の政治構造を包括的に理解するための一貫として、植民地・海外における産業政策が、中央の政治といかなる連関性を有していたのかを解明することに注力した。そこでは特に、①憲政会における植民地統治方針と国際協調外交の連関性の解明、②挙国一致内閣期における政治構造の再検証をそれぞれ行った。その結果、①’ 憲政会が国際協調路線を前提として、植民地の帝国主義的拡大を抑制するべく台湾、朝鮮、満州それぞれの統治方針を確立しようとしていたこと、②’挙国一致内閣期における現状維持対革新派の構図が、立憲民政党と立憲政友会それぞれの行政改革をめぐる考え方の相違から説明できることが成果として示された。 ①の成果は自身の企画による国際ワークショップで研究発表を行い、その内容をまとめた編著『AJI Books』が近刊される予定となっている。また、②の成果は博士論文をもとにした単著の最終章に組み込んでおり、最終的な結論を示すものとなった。 以上の各論を、昨年度を含めたこれまでの研究成果と結びつけることによって、「1、植民地統治問題を内閣全体の政治秩序を動揺させる重要な起点として位置づけることで、戦前日本が抱えた植民地統治問題の意味を明らかにするとともに、2、近代日本における政治の透明性と実行力の両立という視座から、政党政治崩壊後の挙国一致内閣期に一貫して進行した政治構造の変容がもつ意味を問い直す」という申請時の目的がおおむね達成された。この成果は、近日刊行予定の単著としてまとめられている。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)