「想像の故国」に戻って:ディアスポラ再移住とコロナ後世界の多文化共生の課題
Project/Area Number |
22K20124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0106:Political science and related fields
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
李 眞惠 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 助教 (20896831)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ディアスポラ再移住 / 多文化共生 / 高麗人(コリョ・サラム) / ウズベキスタン / 韓国 / 二重ディアスポラ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、ディアスポラ集団が「想像の故国」を共有しながらホスト社会の中で居場所を求めて生きてきた現実を前提として、さらに彼らの一部が「故国」に再移住することによって「二重のディアスポラ」となっている事例に着目して、グローバル化以降にエスニック・アイデンティティの変容の実態を考察する。二重ディアスポラは人口移動の自由化にともなって事例が増えつつあるが、本課題では、旧ソ連地域のコリアン・ディアスポラ(コリョ・サラム)の韓国への再移住に焦点を当てる。グローバル化以降の21世紀に特徴的な二重ディアスポラ論の事例研究を通じて、国際的な多文化共生研究への寄与をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、韓国に再移住したコリョ・サラムを事例として、ディアスポラの再移住とコロナ後世界の多文化共生の課題を検討することであった。具体的に次のような3点を明らかにした。(a)移住のプッシュ要因とフル要因の通時的解明:ソ連解体後、旧ソ連諸国における基幹民族中心の国民統合政策の変遷とそれに伴う人口の域内流出などの少数民族の社会的動態の検討からプッシュ要因を検討した。また、グローバル化と脱冷戦という歴史的な脈絡と政権によって変化してきた韓国における在外同胞政策とコリョ・サラム受け入れ政策によるプル要因を検討した。現地の統計と資料といった一次資料の分析と移住現状の実態調査及び参与観察を軸に、コリョ・サラム移住の全体的な動態を明らかにした。(b)2007年以降、ウズベキスタン出身の永住目的移住増加の特性を解明::移住を時期、目的及び形態、そして出身国別に細部に分類し、各集団の移住の具体的な要因を検討した。故国の言語と文化に対する異質感が存在するにもかかわらず、永住希望者が増加する要因について、移住増加と集中居住地形成の間に相関関係があるという研究仮説を設定し、政府・地域団体や社会・NGOなどの支援現況等を検討することにより、上記集団の移住特性とアイデンティティの変容を明らかにした。(c)ディアスポラによるホスト社会の地域再生の可能性検討:高齢化と少子化により人口減少が進んだ地域に集中した彼らの移住による影響を検討した。特に光州、安山、仁川などに集中された彼らの移住と集中居住地の形成を中心に集中居住地探訪、関連機関と人物へのインタビュー実施などの現地調査から、人口と労働力空白の解決、商圏の形成、雇用創出などの効果とその実態について明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)