Project/Area Number |
22K20125
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0106:Political science and related fields
|
Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
三浦 航太 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターラテンアメリカ研究グループ, 研究員 (50964285)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | チリ / 社会運動 / 学生運動 / 政党 / 運動政党 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、2010年代のチリにおける社会運動と運動政党(社会運動から生まれた政党)の発展と相互関係のあり方を明らかにすることを目的とする。具体的には、社会運動から運動政党が生まれる背景となる政治社会状況、運動政党が作られる際のそれぞれの組織の変化、その後の両者の協力関係の構築について明らかにする。チリでは2010年代以降、新自由主義的な国家から社会民主主義的な国家への転換が図られつつある。街頭から転換を求める社会運動のみならず、街頭と議会・政府をつなぐ運動政党に着目し、そして両者の関係を明らかにすることは、なぜチリの国家的な転換が可能になったのか、その一端を示すことにつながるものである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、主に3つの作業を実施した。第一に、文献・資料調査を通じて、チリの運動政党(いくつかの新興左派政党)の源流にある学生運動組織に着目し、学生運動組織内部において、いかに既存政党とは異なるオルタナティブを作ること、新しい政党を組織することが目指されたのか、そのプロセスについて明らかにすることを目指した。また、これまで左派政党にのみ着目してきたが、近年台頭している新興右派政党についても部分的に運動政党のような性質が見られるため、この政党についても結成・発展のプロセスについて把握し、左派と右派の間でプロセスに違いがあるか比較検討を行った。第二に、チリでの現地調査を通じて、文献・資料調査では明らかにしづらい部分について、学生運動から発展した運動政党で活動する人物らに聞き取りを行い、運動政党への変化・発展のプロセスにおいて、内部での認識がどのようなものであったのか、その認識はどのように・なぜ変化したのか、などといった点に関して把握することを目指した。また、現地調査の際には、現地研究者と研究方針・内容に関する意見交換を行った。ここまでの作業は、学生運動組織と運動政党という組織内部に関する分析である。第三に、組織外部の社会との関係に着目し、学生運動と運動政党に対する人々の認識について、世論調査のデータを用いて分析を行った。組織外部に着目するのは、運動政党が発展し議席を獲得していく過程において、源流となる学生運動や、運動政党に対する人々の一定の共感・支持が必要と考えられるからである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献・資料調査や現地調査を通じた聞き取りについては概ね計画通り進めてきた。それらの調査・分析を通じて学生運動や運動政党の組織内部の動きについては一定把握することができたが、組織外部の社会がどのように学生運動や運動政党を捉えているのかという点については、既存の世論調査のデータからは必ずしも十分に把握できない。この点について、追加の調査が必要と考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は主に2つの作業を行う。第一に、進捗の遅れにも関わっている、学生運動や運動政党に対する人々の認識について捉えるということである。この点については、現地調査機関と協力しつつ、オンラインでのサーベイを実施したいと考えている。第二に、2024年6月にコロンビアで実施されるLatin American Studies Association大会などで発表を行い、フィードバックを得るとともに、論文形式での成果発表を目指す。
|